[貢献度で選んだ18-19ベスト11 リーガ編]新旧のタレントたちが融合 オールスター版「メッシ・システム」

安定の守備陣 中盤のポイントはシャビ2世

安定の守備陣 中盤のポイントはシャビ2世
GKはオブラクかテア・シュテーゲンか迷った。総合力ではテア・シュテーゲンだと思う。キケ・セティエン監督の攻撃サッカーなら、本来は足下が抜群に上手いテア・シュテーゲンのほうが相応しいのかもしれない。ただ、神がかったセーブをみせたオブラクの守備力こそGKの本分だろう。

右サイドバックは、はっきりいって人材難だった。セルジ・ロベルトはバルセロナで絶対的なレギュラーというわけではない。セメドが起用された試合も多く、セルジ・ロベルトはMFでも起用されていた。ただ、ここという試合では右サイドバックに入ることが多く、安定したプレイをみせていた。次点はレアル・マドリードのカルバハルだが、今季はあまり良いパフォーマンスではなかった。バルトラがサイドもできるので、右サイドバックの控えはベンチに置かないことにした。

センターバックはピケ、セルヒオ・ラモスのスペイン代表コンビ。バルトラも素晴らしいプレイぶりだったが、前記のとおり右サイドバックの控えを選んでいないので、いざというときのためにベンチに置く。引退表明したゴディンに敬意を表して選出したかったが、今季のプレイはやはりピークを過ぎた感があったので選外とする。

左サイドバックはジョルディ・アルバが鉄板だ。現在、メッシと最も意思疎通のできる選手である点からも外せない。控えには同じ攻撃型のフィルポを置きたい。

シャビの後継者として期待されるアルトゥール photo/Getty Images

ピボーテはブスケッツではなくパレホをチョイスした。バレンシアのキャプテンとして攻守ともに貢献度は抜群だった。ブスケッツとは容姿も含めて非常によく似たタイプだが、より運動量もあり攻撃力もあるパレホをスタメンとした。

インテリオールはラキティッチとアルトゥール。バルサの2人を選んだのは、メッシとの関係からである。メッシを「偽7番」として使うので、サイドバックと右インテリオールはメッシを支えられる選手が必要になる。アルトゥールは「新しいシャビ」になりうる資質をみせていた。キープ力に優れ、速いショートパスを駆使する。動きも機敏で状況判断も素晴らしい。バルサのスタイルにフィットするのも非常に速かった。万能型のサラビアはスーパーサブとして起用したい。得点力もあるので、攻撃のテコ入れとして後半途中から投入する。

超強力アタッカー陣はゴール欠乏症の心配なし

超強力アタッカー陣はゴール欠乏症の心配なし

今季もゴールを量産し、違いを見せつけたメッシ photo/Getty Images

前線の右はメッシで決まり。右ウイングというより、いつもどおり右のハーフスペースを起点としたプレイになる。右サイドで幅をとるのは右サイドバックのセルジ・ロベルトの役割になる。セルジ・ロベルトが前へ出るぶん、ラキティッチは引き気味のポジションをとる。このポジションにはバロンドール受賞者のモドリッチがいるが、「黒子」の役割に慣れているラキティッチのほうが上手く機能しそうだ。

9番はメッシとの相性ならスアレスになるが、下位に沈むジローナで得点ランキングの上位に食い込んでいるストゥアーニの得点力は無視できない。

左はレアル・マドリードの新星ヴィニシウスかグリーズマンかで迷ったが、経験を買ってグリーズマンを選んだ。メッシを選んだ以上、結局のところ「メッシ・システム」にならざるをえない。守備のときはメッシ、ストゥアーニを前線に残す[4-4-2]の形になる。左ウイングはサイドハーフとして守備に入る役割があるが、グリーズマンならソツなくこなすだろうという期待である。ヴィニシウスも運動量があり守備もできるが、戦術理解力の高いグリーズマンを優先した。

FWのバックアップはイアゴ・アスパスとスアレスを選出。イアゴ・アスパスは得点力が高くアシストも上手い。セルタの攻撃をリードした。メッシの代役とまではいかないが、十分に活躍してくれそうだ。FWのバックアップを2人にしたので、ヴィニシウスは選べなかった。デンベレもプレイに波があるために見送り。ヴィニシウスとともにポテンシャルの高さは抜群、次代のスター候補だろう。レアルで一人気を吐いていたベンゼマも選びたかったが、メッシとの関係からスアレスを優先。

ボールを支配してサイドバックは高い位置へ進出、メッシとグリーズマンはハーフスペースでのプレイがメインになる。点がとれないときは、アルトゥールかラキティッチをサラビアに交代してテコ入れする。あとはストゥアーニ→スアレスぐらいしか攻撃カードがないのだが、このメンバーなら得点に困ることはなさそうだ。

文/西部謙司

1995年から98年までパリに在住し、サッカー専門誌 『ストライカー』の編集記者を経て2002年からフリーランスとして活動。主にヨーロッパサッカーを中心に 取材する。『フットボリスタ』などにコラムを寄稿し、 「ゴールへのルート(Gakken)、『戦術リストランテ4』 (ソル・メディア)など著書多数。

theWORLD233号 2019年5月15日配信の記事より転載

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