大迫や武藤、香川に続け! 宮市亮が復活への道のりを着実に歩み始めた

横浜FM加入以降も苦しい時期が多い宮市だが、大勢のファンが彼に大きな期待を寄せているはず photo/Getty Images

「何よりも離脱しないことが大事」

大迫勇也や武藤嘉紀、香川真司など、今季のJリーグはかつて欧州でプレイした選手たちの復活と躍進が目立つ。そういった選手ちに続けと言わんばかりに、横浜F・マリノスに所属するFW宮市亮の復活に期待しているファンも多いのではないか。

中京大学附属中京高校を卒業後、国内のクラブを経由せずに海外挑戦を決断した現在30歳の宮市。2011年1月から2021年7月まで、約10年半にわたってアーセナルやフェイエノールト、ボルトン、ザンクトパウリなどでプレイしたが、たび重なる大怪我に悩まされて苦しい時期も多かった。自身が当初思い描いていたキャリアとはならなかったかもしれない。

そんな宮市は2021年夏、満を持して日本へ帰国し、横浜F・マリノスへ加入した。ただ、日本でも多くの困難が待ち受ける。移籍初年度はハーフシーズンでわずか2試合の出場にとどまり、昨季は再び靭帯断裂の大怪我に苦しめられて夏以降の試合を棒に振ってしまったのだ。「神様は乗り越えられない試練は与えない」とはよく言うが、神様は宮市にあまりにも多くの試練をお与えになる。
そして、長いリハビリ生活を経て、5月末にようやく復帰。6月3日に行われたFC東京戦では、終盤の投入となったが、ドリブルで仕掛けたり、シュートを放ったり、積極的な姿勢を見せ、コンディションが上がってきていることをプレイで示した。この試合でマッチアップした長友からは「よく戻ってきてくれたな」と声をかけられたという。

今後は「何よりも離脱しないことが大事」という宮市は離脱期間中、ギアの変更など、再び怪我をしないために様々なことを試行錯誤していた。「自分に合うスパイクを探していたが、スポンサーと契約していないので色々と試せる中で、ようやく(自分に合ったスパイクを)見つけた。スパイクに関してもそうだし、インソールも新たなスポンサーと契約させてもらったので、トレーニングを含めていろんな取り組みをやってきた」と明かしている。

そういった取り組みは、体つきにも表れてきているように思う。本人は少々遠慮気味に「歩けなかったんで、(上半身を鍛えることぐらいしか)やることねえなって感じで……。色々やりましたけど、まだまだ始まったばかり」と口にしたが、近くで見ると上半身の大きさが今までに比べて明らかに変わっていた。

また、「ちょっとずつちょっとずつ積み上げていかなければいけない」や「ここまで試合ができるようになったというのはありがたいこと。しっかりケアしながら一日1日頑張りたい」と、今後への意気込みも明かしていた宮市。自慢のスピードや得意のドリブル突破など、本来のパフォーマンスを発揮できれば、まだまだ試合で違いを生み出せるはず。日本屈指のスピードスターが、復活への道のりを着実に歩み始めた。

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