ペップとアルテタが築いていた「一風変わった」関係 現役時代から受けていたアシスタント就任の打診

シティで共闘していたグアルディオラ監督とアルテタ監督 photo/Getty Images

ついに開花したアルテタ・アーセナル

ミケル・アルテタ監督率いるアーセナルは、プレミアリーグ首位を維持したままワールドカップ開催期間を迎えた。首位争いのライバル筆頭はジョゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティとなっている。以前シティでアシスタントコーチを務めていたアルテタ監督にとって、グアルディオラ監督は師匠とも言える存在だが、グアルディオラ監督も彼から多くのことを学んでいたようだ。
 
トップチーム昇格を果たすことはできなかったものの、若かりし頃はバルセロナでプレイしていたアルテタ監督。パリ・サンジェルマンやレンジャーズ、レアル・ソシエダを経てプレミアリーグのエヴァートンへと移籍すると、そこで約6シーズン半に渡ってプレイ。2011年からはアーセナルへと活躍の場を移している。
 
その後、2016年に現役を退くと、今度はシティのアシスタントコーチに就任。チームの新指揮官であるグアルディオラ監督をサポートし、プレミアリーグやFAカップ、リーグカップでの優勝を経験した。そして、2019年12月からは古巣アーセナルの指揮官を務めている。
 
英『talk SPORT』によれば、アルテタ監督は現役引退後に指導者の道を選んだ理由について、現解説者のリヴァプールOB、ジェイミー・キャラガー氏にこのように打ち明けている。
 
「30歳の時、ペップ(グアルディオラ監督)から『イングランドに行くから、アシスタントになってくれないか』と言われたのを覚えている。私は『まだプレイしているんだ!』と言った。あまりにも早すぎたよ。でもそのおかげで、プレイをやめると決めたら、いつかは監督業を始めたいんだという自分の気持ちを理解することができたし、モチベーションが上がった」
 
さらに、アルテタ監督はグアルディオラ監督との関係についてより深く言及。シティ行きまでの経緯も説明している。
 
「私たちは15歳の時に出会った。彼は私のアイドルだった。バルセロナのトップチームに入りたいなら、彼は見習うべき人物の一人だと思っていたし、そこから関係を築いた」
 
「そしてその関係は一風変わったものになった。私がまだ現役で、彼がバルセロナやバイエルン・ミュンヘンの監督だった頃、彼はよく私に電話してきて、イングランドのチームについてアドバイスを求めてきた。あの相手にはどうプレイすればいいか…… と。そういう関係を築いていった」
 
「そしてある日、彼ははっきりと私に言った。『イングランドに行ったら、バルセロナでやったようなことをこのリーグでやってみたいという夢がある。そこでそのようなことをするのは無理だと誰もが言うけどね。その夢を実現するために、君の助けとサポートと経験が必要だ』と。それでああなったんだ」
 
どうやらグアルディオラ監督はプレミアリーグの知識をアルテタ監督から取り入れようとしていたようだが、彼の指導者としての才能にも早くから気づいていたのだろう。今季のプレミアリーグでは、後輩アルテタ監督が先輩グアルディオラ監督をリードしている形だが、最後に上に立っているのはどちらなのか。今後もこの2人の師弟対決には注目だ。

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