前回のように上手くはいかなかったミランのローテーション 浮き彫りとなったベナセルの重要性
ベナセルも途中投入したが追い上げは叶わず photo/Getty Images
今季リーグ戦2敗目を喫してしまった
31日に行われたセリエA第12節トリノ戦を2-1で落としてしまったミラン。ステファノ・ピオリ監督はチャンピオンズリーグのレッドブル・ザルツブルク戦を見越してこの試合でローテーションを行ったのだが、これが上手くいかなかった。
6日、12日と立て続けに行われたCLのチェルシー戦を2試合とも落としたことにより、9年ぶりの決勝トーナメント進出を果たすためには、残りのグループステージ2試合を最低でも1勝1分以上で終える必要が生じたミラン。そのため、ピオリ監督は26日のディナモ・ザグレブ戦を目前に控えていた23日のモンツァ戦で、FWオリヴィエ・ジルーやFWラファエル・レオン、MFサンドロ・トナーリ、DFピエール・カルルなどといった主力たちをベンチスタートとした。
結果的にレオンとカルルは途中から投入することになったものの、ジルーとトナーリは完全に休ませることに成功。その上で4-1の勝利を収め、リーグ戦の順位は2位にアップ。ローテーションの甲斐あってか、続くディナモ・ザグレブ戦も0-4の完勝で終えることができた。
これによりミランはCLのグループリーグでも2位に浮上。来月3日のザルツブルク戦は引き分け以上で決勝トーナメント進出が可能という状況になった。
このザルツブルク戦に万全を期すため、ピオリ監督は今回のトリノ戦でもモンツァ戦と同様にローテーションを敢行した。ジルーやMFイスマエル・ベナセルを温存して試合に臨んだが、先発起用したエース・レオンが尽くチャンスを逃したこともあり、徐々に試合の流れをトリノに渡してしまう。
するとミランは35分、37分と立て続けに失点し、温存していたジルーやベナセルを後半途中から起用する事態に。それでも逆転どころか同点にもできず2-1で敗戦。リーグ戦順位が再び3位に下がるなど、何もかも上手くいかない一戦となってしまった。
モンツァ戦とトリノ戦の違いで言えば、前回ゴールを生み出したレオン、FWディボック・オリギ、MFブラヒム・ディアスが不発に終わったことや、休ませた中盤の選手がトナーリからベナセルに変わったことなどがあげられる。特にビルドアップの中心を担うベナセルがいないと効果的にチャンスを生み出すことができず、前線の選手たちがゴールから遠ざかった要因だったとも言えるだろう。
しかし、今季ここまで公式戦全試合に出場しているベナセルや36歳のジルーを少しでも休ませられたことは、ザルツブルク戦で多少なりともプラスに働くはず。大きな代償を払ってしまった以上、CL決勝トーナメント進出は是が非でも成し遂げたいところだ。