今季は750分で1ゴール 爆速の韋駄天FW前田大然は日本代表“1番手”になれるか 

セルティックで奮闘する前田 photo/Getty Images

そのスピードはドイツ&スペインにも通用するが……

まだ確定ではないが、セルティックでプレイする日本代表FW前田大然はワールドカップ・カタール大会でセンターフォワード1番手になる可能性を秘めている。

前田は9月に行われたアメリカ代表との親善試合で自慢のスピードを活かしたプレスを惜しみなく披露しており、それにアメリカ守備陣も手を焼いていた。日本はワールドカップ本番でドイツ、スペインと明らかな格上と対戦するため、この2試合では相手にボールを支配される可能性が高い。そこで前田や伊東純也といったスピードスターのプレスは効果的な武器となるかもしれない。前田は試合の中でスプリントを繰り返す運動量もあり、その爆発的なスピードは森保ジャパンの強みだ。

しかし、課題はシュートの部分だ。今季はセルティックで750分間プレイしているが、奪った得点はリーグカップでの1点のみ。セルティックはスコットランドを代表する名門であり、ボールを支配する機会が多い。その中で1点しか奪えていないのは少々寂しいか。
前田はリーグ戦とチャンピオンズリーグで計12本のシュートを放っているが、枠に飛んだのは3本だ。またドリブル成功数もリーグ戦では1回となっており、攻撃時に自慢のスピードをどう活かすかは課題となるだろう。カウンターアタックからロングボール1本で裏に抜けるのがスピードを活かす最もシンプルなやり方ではあるが、ワールドカップで得点を奪うには引き出しを増やしたい。

セルティックを指揮するアンジェ・ポステコグルーは、前田のシュートについて次のように語っている。

「みんながフィニッシュの部分に注目していることを知っている。(12日のCLライプツィヒ戦)では少し不運だったが、彼はかなりハードワークしてくれている。サイドを守るうえで彼の守備の仕事は際立っていたと思う。それはチームの助けになっていたよ。ただ、彼はゲームの別の側面を学ぶ必要もあり、フィニッシュを決めるのも非常に重要だ。彼は毎試合良いポジションを取っているが、ゴールを逃している。それでも、完成された選手ではないという理由だけで諦めることはない」(英『Glasgow Live』より)。

そのスピードは日本人離れしたところがあり、そこはドイツとスペインにも通用するはずだ。しかし、両試合ではあまり多くのチャンスは望めない。前田、セルティックでもチームメイトの古橋、他にも大迫、浅野、上田といったアタッカーにも言えることだが、ドイツとスペイン相手に金星を得るには少ないチャンスを確実に沈めるしかない。前田のスピードは絶対に必要な武器だが、ワールドカップでネットを揺らせるだろうか。

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