まだ無敗と強すぎるカナダは“眠れる巨人”だった 米国、メキシコ潰してサッカー大国へ

カタール大会出場へ前進するカナダ photo/Getty Images

氷上競技だけが人気ではない

今年のワールドカップ・カタール大会で最大のダークホースとなるのだろうか。北中米カリブ海予選で首位を走るカナダ代表の勢いが止まらない。

北中米ではアメリカ、メキシコ、コスタリカといった国が強豪とされてきたが、1986年大会以来のワールドカップ出場を目指すカナダ代表はその序列をひっくり返そうとしている。28日に行われたホンジュラス戦もリール所属FWジョナサン・デイビッドの得点もあって2-0と勝利し、ここまで予選では9試合戦って5勝4分と唯一無敗を維持している。
カナダのサッカーがここまで強くなっていることに驚いた人も多いだろうが、チームを指揮するジョン・ハードマンはカナダのことを「眠れる巨人だった」と評する。あまりサッカーのイメージがないかもしれないが、カナダ国内でもサッカー人気はまずまず高いのだ。

「カナダはホッケーの国ではあるが、フットボールも高い参加率を誇る競技だ。多くの子供はフットボールをする。これは真実だ。この国は多様な人口統計で成り立っていて、多くの移民がいる。私を含め、彼らの最初の関心はフットボールなんだ。カナダは眠れる巨人だ」(英『BBC』より)。

カナダのサッカー界を知り尽くす現指揮官ハードマン photo/Getty Images

カナダは女子代表も東京五輪を制している

ハードマンはこう語っているが、実はハードマンは2011年から2018年までカナダの女子サッカー代表チームの指揮官を務めてきた人物でもある。2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪ではチームを銅メダルに導いており、自国開催となった2015年の女子ワールドカップでも準々決勝まで進んでいる。

すでにハードマンは女子代表チームを去ったが、その育成が花開いたこともあって昨年の東京五輪で女子代表は金メダルを獲得。準決勝では女王アメリカを撃破しており、それを覚えている日本のスポーツファンも多いだろう。カナダの女子は成功を収めてきたのだ。

次は男子の番というわけだ。2026年には男子の方もアメリカ、メキシコとの3国共催でワールドカップを開催する予定となっており、女子と合わせてカナダはサッカー強化に力を入れてきた。子供たちも今の代表チームに興奮しているはずで、それは2026年大会で1つの完成を迎える予定だ。

バイエルンDFアルフォンソ・デイビス、リールFWジョナサン・デイビッド、ベシクタシュFWサイル・ラリンなど欧州で成功を収めている者も増えてきた。眠れる巨人はカタールでその真価を発揮することになるのか。今最も見逃せない代表チームこそカナダ代表だ。

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