マンCにストライカーは不要か 前線の流動性が勝利の決め手

“偽9番”の仕事を遂行したベルナルド・シウバ photo/Getty Images

デ・ブライネはマンオブザマッチの活躍

17日に行われたCLマンチェスター・シティ対ボルシア・メンヘングラードバッハの2ndレグは、ケビン・デ・ブライネの得点を含む2ゴールでマンCに軍配が上がった。スタメンはフラム戦から5人を変更し、そのうちの4人は前線の選手と攻撃陣をリフレッシュさせてこの試合に臨んだ。

試合開始直後は、グラードバッハが積極的なプレスを仕掛けるも、マンCが冷静にいなして攻撃を組み立てるいつもの構図が出来上がる。最前線9番の位置にポジションを取ったベルナルド・シウバは各方面に顔を出して前線にスペースを空ける、いわゆる偽9番の役割を遂行。これによってフィル・フォデン、デ・ブライネ・イルカイ・ギュンドアンの4選手がそれぞれ試合の中でポジションを入れ替えてスペースを生み出す。

2点目の場面も前線のシウバと左のフォデンが中央でボールを受け、前にできたスペースにギュンドアンが飛び込んで得点を挙げている。この一連の流れは、まさに前線の流動性から生み出された得点と言える。人が入れ替わることで相手にマークの受け渡しを複雑化させ、一瞬の隙をついてゴールを奪う。前線でポジションを取るストライカータイプのセルヒオ・アグエロを起用しなかったのも、このためだと考えられる。
更に、デ・ブライネのコンディションが戻っているのもこのスタイルを取れた一つの要因であると言える。先日のダービーでは要所でのパスミスが目立っていたが、この試合ではそういったシーンが目立つことはなかった。ダービーでのパス成功率は「79%」、この日は「86%」と上昇しており、数字にも表れている。先制点となった左足でのゴールからは調子が上がっているのを感じ取ることができ、エースの復活はチームにとって非常にポジティブな要素と言える。

大事な試合では前線にストライカーを置かないスタイルで白星を挙げているマンCだが、今季はこのスタイルがハマっている。次は鬼門となるベスト8だ。指揮官は重要な一戦で考えすぎてしまう節があるが、今日の勝利は次の一戦の良い判断材料になったといえるのではないか。

ベスト8の抽選は19日に行われ、次の対戦相手が決定する。ペップ政権ではベスト8で苦汁を飲まされているマンCだが、今季のCLではどこまで駒を進めるのだろうか。

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