リヴァプールに欠かせない存在に
最終ラインの要だったフィルジル・ファン・ダイクの離脱に始まり、最終ラインにトラブルが続いている今季のリヴァプール。
それでもチームは2位につけているが、その立役者といえばファビーニョだ。当初は守備的MFとして計算されていたものの、ファン・ダイクが離脱してからはセンターバックで固定。チームの守備を束ねる存在となった。
ここまでの活躍ぶりを数字で振り返ると、空中戦勝利数61回(チーム1位)、クリア回数37回(1位)、インターセプト数21回(1位タイ)、タックル成功数34回(1位)と、ファビーニョはあらゆるデータでチーム1位となっている。
リヴァプール加入当初は上手くフィットしなかったが、今ではファビーニョ抜きで戦えないチームになった。加入したのは2018年夏のことだが、あの時ファビーニョを獲得していなかったシナリオを想像すると背筋が凍る。アタッカー陣に比べると地味かもしれないが、ファビーニョの獲得もクラブ史に残るベスト補強の1つと言えるのではないか。
守備的MF、センターバック、さらにサイドバックと、複数ポジションをこなすユーティリティ性を持ち合わせているのも大きい。緊急時にこれほど頼れる守備職人も珍しいだろう。ファビーニョはブラジル代表の選手だが、同じブラジル人DFではパリ・サンジェルマン所属のマルキーニョスに近いディフェンスセンスの持ち主だ。マルキーニョスもセンターバックと守備的MFの両方をこなすことが出来る。
近年のプレミアではファン・ダイク、マンチェスター・シティのアイメリック・ラポルテがベストセンターバックと称えられたが、今季ここまでの活躍ぶりから考えればファビーニョもベストセンターバックの1人だ。プレミア最高の守備的MFになることも出来れば、最高のセンターバックにもなれる。ファビーニョの評価はそんなところだろう。
17日には首位マンチェスター・ユナイテッドとの直接対決が控えているが、リヴァプールはファビーニョを中心に相手の攻撃を抑えられるのか。リーグ連覇へのカギを握るのは必死に守備を支えるファビーニョだ。(データは『WhoScored.com』より)