中盤の底できっちりと守備を固め、攻撃面でも相手のプレスをいなして的確にボールを繋いでくれる。近年はそんな守備的MFが世界的に1つのブームとなってきた。
今夏の市場でも守備的MFは何かと人気だ。ワールドクラス予備軍と言っていいタレントが数名いるのだ。
1.デクラン・ライス（ウェストハム/21歳）
例えばイングランド代表にも選出されているライスは、185cmとサイズのある守備的MFとしてイングランド国内で人気を高めている。
ライスもそうだが、最近は守備的MFとセンターバックの両方をこなす選手が増えてきている。そうしたユーティリティ性ある守備職人はチームにとって非常に貴重だ。
以前からライスにはチェルシーからの関心が噂されており、近いうちに世界トップレベルの守備的MFと評価されるようになる可能性が高い。
2.トーマス・パルティ（アトレティコ・マドリード/27歳）
パルティに関してはアーセナルからの関心が何度も噂されるなど、数ヶ月にわたって話題を呼んできた。
ディエゴ・シメオネに叩き込まれた守備はもちろん、前線へ駆け上がる馬力も備えている。攻撃面でも貢献が期待できる選手だ。
複数ポジションをこなすユーティリティ性もあり、アトレティコでは右サイドバックをこなしたこともある。
3.エドゥアルド・カマビンガ（レンヌ/17歳）
超早熟のワールドクラス候補生といったところか。17歳ながらレアル・マドリードからの関心が噂されるなど、早くもフランスサッカー界の次世代を引っ張っていく存在と期待を集めている。
レンヌでは絶対的な主力であり、17歳とは思えぬ落ち着きを備える。米『ESPN』によれば、昨年にはフランスの天才FWハテム・ベン・アルファもカマビンガのことを絶賛していた。
「彼はインクレディブルだよ。テクニック、フィジカル、彼はモンスターだ。彼のやること全てがパーフェクトなのさ。僕にとって彼こそ現代的なMFだ。出来ないことは何もない。守れるし、タックルもできてヘディングも強い。チャンスメイク、得点、アシストもできる。パワフルだが、左足のテクニックもある。知的で、エレガントな選手だ。あの年齢で彼のような選手を見ることは滅多にない。16歳ということを忘れてはいけないよ」
ワールドクラスのMFとなるのは確実で、すでにビッグクラブでプレイするだけの実力は備えていると言うべきか。
4.サンドロ・トナーリ（ブレシア/20歳）
こちらも今季開幕前から話題になっていたプレイヤーだ。イタリアではアンドレア・ピルロ2世などと呼ばれ、今季もセリエAで35試合に出場。1得点7アシストと下位クラブのブレシアで十分に実力をアピールしてみせた。
インテル、さらにはピルロが指揮官に就任したユヴェントスも関心が噂されるなど、ビッグクラブ行きは目前だ。
以前トナーリは元イタリア代表MFジェンナーロ・ガットゥーゾがアイドルだったと明かしていたが、ガットゥーゾとピルロでは全くタイプが違う。ピルロとガットゥーゾの良いところをMIXさせたような選手になってくれれば、イタリアサッカー界としては文句なしだろう。
5.タイラー・アダムス（ライプツィヒ/21歳）
チャンピオンズリーグ準々決勝でアトレティコ・マドリードまで撃破し、ついにベスト4まで駒を進めてきたライプツィヒ。
そのアトレティコ戦で決勝ゴールを叩き込んだのが、アメリカ期待の若手MFアダムスだ。
アメリカ国内でプレイしていた頃より高い評価を受けていたアダムスは、18歳でA代表に招集された若きエリート選手だ。
チェルシーのクリスティアン・プリシッチ、ドルトムントのジョバンニ・レイナもアメリカ期待のプレイヤーだが、ユーティリティプレイヤーのアダムスもその期待を背負う1人なのだ。
アメリカサッカー界としては、ライプツィヒからもう一歩ステップアップしてほしいところだろう。数年後が楽しみな選手だ。
●電子マガジンtheWORLD（ザ・ワールド）最新号を無料で公開中！
電子マガジンtheWORLD（ザ・ワールド）最新号は、欧州4大リーグのシーズンレビュー。コロナ禍の混乱があったものの、新たな若手が躍動したり、新指揮官が辣腕を振るったりと見所満載だったシーズンを、業界屈指のライター陣が振り返ります！
こちらから無料でお読みいただけます。
http://www.magazinegate.com/theworld/ 
