マンチェスター・ユナイテッドがヨーロッパ・リーグで優勝を目指すにあたり、最大の障害となるであろう存在。そう聞けば、多くの人は決勝で対戦する可能性があるインテルを思い浮かべることだろう。アントニオ・コンテ監督に率いられ、今季セリエAを2位で終えたネッラズーリはたしかに脅威だ。
しかし、そのインテルと相まみえるかもしれないファイナルへと進む前に、彼らがまず乗り越えなければならない壁がある。準決勝で対戦するセビージャだ。今季はリーガ・エスパニョーラを4位でフィニッシュした同クラブ。レアル・マドリードとバルセロナの2強とは少し離されてしまったが、その実力は確かだ。
フレン・ロペテギ監督に鍛えられ、各ポジションに曲者が揃う彼らは間違いなく難敵と言えよう。リーグ後半戦から絶好調をキープするマンUだが、苦しい展開となることも十分に考えられる。欧州でも屈指のキック精度を誇るMFエベル・バネガ、、ダイナミックなプレイが持ち味のMFルーカス・オカンポス、守備型サイドバックとして着実に成長を続けるDFセルヒオ・レギロン、準々決勝ASローマ戦で強固なディフェンスラインを構築したDFジエゴ・カルロスとDFジュール・クンデ……。知名度こそ高くはないかもしれないが、セビージャには職人タイプの実力者が多い。
しかし、そんな中でも英『Manchester Evening News』がセビージャで最も警戒すべきとするのは34歳のベテランだ。そのベテランとはDFヘスス・ナバス。今季ロペテギ監督の下でウイングからサイドバックにコンバートされた同選手は、セビージャの右サイドに欠かせない存在となっている。上質なクロスやかねてよりの強みだったドリブル突破に加え、味方を後方からサポートする動きも秀逸。今季リーグ戦は全38試合に出場して7アシストを記録しており、マンUの脅威となる可能性はかなり高いだろう。同メディアが警戒を促すのも頷ける実力者だ。
はたして、マンUはこのセビージャ戦でJ・ナバスの攻撃参加をどこまで抑え込むことができるのだろうか。新境地を開拓したベテランの進撃は、全力で食い止めたいところだ。
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