大きな注目を集めて“白い巨人”へと向かったが、怪我で思うような活躍を披露することができなかった若き天才MFがいた。こう言われれば、ピンとくる人もいるかもしれない。2011年夏にドルトムントからレアル・マドリードへと移籍したヌリ・シャヒンのことだ。
間違いなく、彼の加入は当時レアルファンの心を躍らせたはずだ。2005年にわずか16歳334日でブンデスリーガ史上最年少デビューを飾った“ドルトムントの神童”。その選手がきちんと実績を積んでから、次なる目的地として自軍を選んだのである。喜ぶのも当然だろう。
しかし、シャヒンがレアルで輝くとはなかった。彼は新天地でもドルトムント時代から負傷を繰り返していた左膝の怪我に苦しみ、結局同クラブでの出場は僅か10試合のみ。レアルでの挑戦は失敗に終わったと言っていい。
そんなシャヒンがネガティブな思い出が多くなってしまったレアル時代を回顧している。独『Kicker』のインタビューに応じた同選手は、自身が経験したキャリアにおける躓きとも言えるレアル時代を次のように振り返った。
「怪我の影響もあって、レアルでの時間は思うようにいかなかったね。あの時、僕がクラブと交わしたのは6年契約。そのうち1回はチャンピオンズリーグで優勝できると思ったのさ。それが移籍を決断した理由だったね。あの年は他にもたくさんのオファーが僕のもとに届いていたんだ。でも、検討したのはレアルだけさ。僕はオファーが来る以前から、代理人に『彼らからの話なら聞く』と言ってあったんだ」
「僕の夢はドルトムントでチャンピオンになること、そして主将としてシグナル・イドゥナ・パルクでプレイすることだった。でも、レアルの選手としてプレイすることも夢の一つだったんだよ。当時の僕はその夢を叶えるために少し準備を急いでしまったのかもしれない。そのせいで最初のトレーニング中に怪我をしてしまった。でも、僕は最終的にドルトムントへ復帰した後、CL決勝を経験することができた。そう言った点からすれば、悪くはなかったかな」
当時は唯一レアルからのオファーだけ受けるつもりでいたと移籍を振り返ったシャヒン。スペインでの時間は厳しいものとなってしまったが、本人に後悔はないようだ。
最終的にドルトムントでCL決勝の雰囲気も味わうことができたシャヒン。苦しい時間を過ごしたとはいえ、全ての選手が過去の失敗を悔やんでいるわけでない。
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