アーセナルが解決すべきは“スロースタート問題” 未だ前半にリードなし

エメリ監督は解決策を見つけられるか photo/Getty Images

前半はシュート数も少なすぎる

現在、プレミアリーグで7勝3分2敗の5位につけているアーセナル。アーセン・ヴェンゲル氏による長期政権の後だけに開幕前は大崩れも心配され、事実リーグ戦ではマンチェスター・シティ、チェルシーに連敗する厳しいスタートとなった。しかし、その後チームは上昇気流を描き、現在は公式戦16戦無敗を維持。トップ4返り咲きも十分狙える状態となっている。

しかし、喫緊に解決すべき課題がひとつある。極めてスロースタートであることだ。プレミアリーグで未だ前半にリードを奪ったことがないチームは、アーセナルとカーディフの2つだけだ。今季最も大差がついたのは5-1で勝利したフラム戦だが、その試合でもハーフタイム時点では1-1。4点は後半に決めたものだった。

アーセナルは1試合平均2.2ゴールを記録しているものの、前半だけに限れば12試合で6ゴール。平均0.5ゴールにまで数値は落ち込んでしまう。先制される試合も少なくなく、得失点差を前半だけに限定するとマイナス3となる。ウナイ・エメリ監督自身もこの問題を認めており、「後半45分で結果を変えることができているが、我々に必要なのは前半で解決策を見つけることだ」とコメントしている。
英『sky sports』によれば、アーセナルが後半に強いのは、運動量で他チームを上回っているからだ。実は今季のアーセナルはトータルで1,376kmを走っており、これはリーグ1位の数字だ。ゲームの終わり頃に疲れている相手に対して高精度のスプリントを繰り返すことで、チャンスを創出し得点につなげているという。しかし、相手がまだ疲れていない前半のうちからこれをやり続けるのは難しい。

加えて気になるのは、シュート数自体が少ないということだ。前出のフラム戦は大勝したとはいえ、前半に打ったシュートはわずか4本。前節のウォルバーハンプトン戦でも、前半のシュートはたったの3本だった。ゴール前を固められるとなかなか崩せないのもわかるが、綺麗に崩そうとしすぎるのはヴェンゲル前監督時代からの悪癖を引きずっているようにも思える。もう少し強引に打っていってもいいのではと思わせる数字だ。ジャカなど強力な中距離砲を持った選手もいるのだから、悪い手ではないはずだ。

ここ3試合の公式戦は連続ドローと、無敗は維持しつつも勢いが止まりつつあるアーセナル。年末から先はより厳しいスケジュールが待っており、前半だけで勝負をつけてしまうようなゲームもないとチーム全体が疲弊してしまいかねない。スロースタートの改善は急務と言えるだろう。

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