“アフリカのシャビ”と言われたMFも今や“200万ユーロ”の市場価値…… 歯車狂った5年前の移籍破談

イングランド2部でのプレイを強いられているセリ photo/Getty Images

今ではイングランド2部の残留争いに巻き込まれている

移籍のタイミングは選手のキャリアを大きく左右する。2016-17シーズン終了時、アフリカのシャビ・エルナンデスとも期待された男の評価はピークを迎えていた。

当時フランスのニースでプレイしていたコートジボワール代表MFジャン・ミシェル・セリだ。168cmと小柄なゲームメイカーは、このシーズンにリーグトップとなる2838本ものパスを出し、成功率も89.6%と安定していた。その活躍からバルセロナも関心を示していると言われたのだが、シーズン終了後のバルセロナ移籍は実現しなかった。

セリは続く2017-18シーズンにもリーグトップとなる2675本のパスを出し、成功率90.4%を記録するなど確かな実力を備えていた。
2018年冬の時点でセリの市場価値は3500万ユーロまで上昇していたのだ。キャリアのピークを迎えていたのは間違いない。

しかしビッグクラブ移籍は実現せず、2018年の夏にイングランドのフラムへ移籍。そこからトルコのガラタサライ、フランスのボルドーを挟み、昨季はフラムの一員としてイングランド2部で昇格に奮闘。

そして今夏には同じくイングランド2部のハル・シティへと移籍しており、思い描いたキャリアになっていないのは明らかだ。31歳を迎えた今の市場価値は僅か200万ユーロで、5年前にバルセロナ移籍が実現していればセリのキャリアは変わっていたかもしれない。

仏『Foot Mercato』は、ニース在籍時のセリが移籍するなら積極的にポゼッションする攻撃的なチームへ行きたいとの願望を口にしていたと振り返っているが、イングランド下位のフラムやハル・シティがその理想に合うクラブだったとは言い難い。

現在所属するハルは順位も18位と停滞しており、3部降格を心配しなければならない順位だ。セリは主力として奮闘しているが、本人も5年前の夏に大きな後悔があるに違いない。

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