38点を決める怪物ストライカーを携えいざプレミアへ 2部首位のフラムは3度目の正直となるか

フラムでゴールを量産するミトロビッチ photo/Getty images

ここまでは2回連続で降格している

11日にはマンチェスター・シティ対リヴァプールのプレミア首位攻防戦が行われ、2-2での痛み分けとなった。今季のリーグ戦での直接対決は予定されておらず、残り7試合で負けなかったほうがリーグタイトルを獲得することになるだろう。

イングランドのトップカテゴリーであるプレミアは終盤まで白熱した戦いを見せているが、実質2部であるチャンピオンシップはフラムの優勝が大方決まりだろう。残り6試合で勝ち点は83ポイント、2位ボーンマスは73ポイントと10ポイント離れており、フラムが大きく崩れ、ボーンマスが勝ち続ければ逆転もありうるが、今季のフラムは安定して勝ち点を稼いでいる。

特に魅力的なのは攻撃力で、ここまで40試合で94ゴールを奪っている。チャンピオンシップでは最多得点であり、今季はこの攻撃力でここまで勝ち星を積み上げている。中心となっているのはセルビア代表のアレクサンダル・ミトロビッチであり、38試合で38ゴール7アシストと漫画でもありえないような活躍を見せている。ハリー・ウィルソンやリヴァプール行きが噂されるファビオ・カルヴァーリョらのサポートがあってこそだが、ミトロビッチの好調さが分かる。

そんなチャンピオンシップの首位クラブに対して英『THE SPORTSMAN』では、「今回のフラムは何が違うのか」と強さについて言及している。このようにフラムが2部で結果を残すのは今回が初めてではなく、17-18シーズンは3位、19-20シーズンは4位で翌シーズンにプレミアに上がっている。しかし、ここ数年は必ず昇格したシーズンに降格しており、来季プレミアに昇格するのであれば同じようなミスは避けたい。

同紙では昇格するにあたっていくつかの不安要素を挙げている。まずはミトロビッチを下がらせすぎないことだ。ミトロビッチはゴール前で輝く選手であり、今季の38ゴールがそれを証明している。しかし、プレミアとなればまたチャンピオンシップとは違う次元にあり、守備的にいけばミトロビッチの良さはかき消されてしまう。近年はウルブズをはじめ昇格組がプレミアで結果を残しており、フラムも自分たちのサッカーを捨てずに戦うことができれば、プレミアでサプライズを起こすこともできるかもしれない。

次に放出濃厚とされるカルヴァーリョの後釜探しだ。19歳と若い選手だが、今季はトップ下で不動のスタメンであり7ゴール7アシストを記録している。ボールを持った時の迫力、オフザボールの質の高さはリヴァプールが欲しがるだけのものはある。その分、フラムはカルヴァーリョに攻撃でのアイデアの大部分を依存しており、不在となれば苦しい。ある程度の移籍金は得られるといえるが代役探しは急務だ。

ここまでは38ゴールと、チャンピオンシップでのゴール記録を更新し続けるミトロビッチを擁するフラム。プレミアに昇格したチームの多くは得点を奪えずに勝ち星を挙げられないことが多いのだが、ミトロビッチがいればフラムはあまりそこを心配する必要はない。やるべきはミトロビッチをどれだけサポートできるか、プレミアに行っても戦い方を変えないこと、移籍濃厚とされるカルヴァーリョの後釜を探すことが重要となりそうだ。

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