アトレティコはトッテナムに並ぶ“シティの天敵”? 強力2トップや主力不在など不安だらけのラウンド8

ビッグイヤー獲得に向けて重要な試合が続くことになる photo/Getty images

負けられない一戦が始まる

CL決勝トーナメントラウンド16ではスポルティングCPと対戦し、2戦合計5-0と快勝を収めたマンチェスター・シティ。続くラウンド8の抽選会では同国のリヴァプールやチェルシーを避けられたが、守備に重きを置くアトレティコ・マドリードとの対戦となった。

昨季は13-14シーズン以来となるリーグ優勝を成し遂げたアトレティコだが、今季はここまで3位と昨季ほどの勢いはない。また、一時はビジャレアル戦からヘタフェ戦まで連続して失点する試合もあり、好調のシティとしてはリヴァプールほど難しい相手ではないが、戦術の相性が悪すぎる。

4バック、3バックを使い分けるチームで、CLのようなゲームでは3バックを採用することが多く、ラウンド16マンチェスター・ユナイテッド戦では2試合ともに[3-5-2]を採用している。ボールを保持することは少なく、シティがボールを簡単に持つことができるゲームとなりそうだが、帰陣が速く、スペースをつぶされ持たされてしまう展開になることは避けたい。そうなったとき、今季のシティは得点につなげることができないことがあり、2-3で敗れたトッテナム戦や0-0でのクリスタル・パレス戦、1-1のサウサンプトン戦のように勝ちきれない試合が目立っており、そういった意味ではアトレティコはリヴァプールやチェルシーといった強豪よりもシティとしては当たりたくなかった相手かも知れない。

守備で気を付けるべきはボールロストからのカウンターだ。これはシティのスタイル上、どの試合でも気を付ける必要があるのだが、アトレティコにはジョアン・フェリックスという強力なFWがいる。何かと批判の多い選手だが、そのテクニックはワールドクラスであり、直近のアラベス戦では2ゴール、3月のレアル・ベティス戦でも2ゴールと得点でチームに貢献している。前線で起点になれるアントワーヌ・グリーズマンも厄介であり、トッテナムのハリー・ケイン、ソン・フンミンのような働きをされればカイル・ウォーカー、ルベン・ディアス不在の今のシティには止められない。ボールを保持することは少なくとも、カウンターにつなげる技術はピカイチであり、特に中盤のコケ、左サイドで躍動するレナン・ロディには注意したい。ロディはユナイテッドとのラウンド16では1ゴール1アシストの大活躍だった。

攻撃では不用意なロストを減らすためにも、3トップは左からジャック・グリーリッシュ、フィル・フォーデン、リヤド・マフレズの並びとなるだろう。グリーリッシュは突破力こそないが、キープ力を武器にアトレティコの守備を左にずらすことができ、そこからの展開で右のマフレズがストライカーとして点を取る。これが理想的な流れとなる。また、バーンリー戦ではラヒーム・スターリングが好調であり、彼を終盤に投入してスピードで崩すのも悪くない。最大の問題はケビン・デ・ブライネの状態だが、バーンリー戦では代表ウィークに試合がなかったということもあって好調を維持しており、ゴールを決めている。特にこういった大一番ではコンディションの上がる選手であり、エースの活躍に期待だ。

シティではディアスが、アトレティコではエクトル・エレーラが不在となりそうな、ラウンド8の大一番。両チームともに主力を怪我で欠いており、どちらがラウンド4への切符を掴むのだろうか。

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