自身を百獣の王にも例えてきたレジェンドFWは、ワールドカップ無得点でキャリアを終えることになりそうだ。
3月29日に行われたワールドカップ欧州予選・プレイオフでポーランド代表に敗れたスウェーデン代表。この一戦に切り札として途中出場したのがスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチだ。
40歳と大ベテランにはなっているが、イブラヒモビッチは今もミランで活躍できている。クラブでのパフォーマンスや経験値から代表に招集されるのも頷ける。
ただ、残念なことに出場権は逃してしまった。イブラヒモビッチのキャリアはクラブシーンこそ派手だが、代表キャリアは少々苦いものと言っていいだろう。スウェーデン代表が世界的な強豪チームではないこともあるが、イブラヒモビッチはワールドカップでゴールを決めたことがないのだ。
初めての出場は2002年の日韓大会だが、当時20歳だったイブラヒモビッチは控えメンバーだった。前線で主力だったのはFWヘンリク・ラーション、10番を背負っていたマルクス・アルベックらで、イブラヒモビッチは2試合しか出場できなかった。それも合計プレイタイムは僅か46分だ。
2006年のドイツ大会にも出場したが、この時も代表の中心はラーションだった。イブラヒモビッチもラーションの相棒として3試合にスタメン出場したものの、ここでも結果を残せず。チームもベスト16で開催国のドイツに敗れてしまった。
その後は予選を突破できない時期が続き、ようやく前回のロシア大会で欧州予選を突破。しかしイブラヒモビッチは本大会のメンバーには入らなかったため、これまでのキャリアでワールドカップ本大会を5試合しか経験出来ていないことになる。プレイタイム合計は253分間だ。世界を代表するFWとしては寂しいプレイタイムと言えよう。
年齢的なことを考えると2026年大会は現実的ではないだろう。代表での成績は121戦62得点と見事なもので、この62得点はラーションをも抑えてスウェーデン代表歴代最多記録である。しかしその大半はワールドカップとEUROの予選、親善試合となっており、メジャートーナメント本大会では思ったほどの数字を残せなかった。
クラブではタイトルを数多く獲得してきたが、代表の祭典ワールドカップで1得点も決められていないのは少々寂しいものがある。これは1つの心残りか。