走行距離は今季リーグトップとなる驚異の13.5km マルコス不在を埋めた走り屋・西村拓真

神戸戦は2ゴールを挙げ、ヒーローとなった西村拓真 photo/Getty images

走りすぎでの怪我が心配だ

最終ラインに中盤、前線と主要メンバーを欠く中で行われたヴィッセル神戸戦。横浜F・マリノスは苦しめられるかと思われたが、前半に西村拓真が移籍後初ゴールをゲット。そこからはチャンスを作り続け、最後に再び西村が決めて2-0で勝利している。

ビッグセーブ連発の高丘陽平やプロ初先発の山根陸とマンオブザマッチ候補は複数いるが、2ゴールを挙げ、勝利に大きく貢献した西村はより称賛されるべきか。

ベガルタ仙台でキャリアをスタートさせ、その後はCSKAモスクワ、ポルティモネンセで海外経験を積んだ西村。しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、海外挑戦を断念。2020年に古巣仙台に復帰し、今季からF・マリノスでプレイしている。

仙台時代は最前線を務めることが多く、神戸戦でもそのポジションに入るかと思われたが、彼がプレイしていたのは不在となっているマルコス・ジュニオールのポジションであるトップ下だった。

マルコスほどのテクニカルなプレイはなかったが、相手のライン間でボールを受ける動き出しは見事であり、西村から前線の宮市亮やアンデルソン・ロペス、仲川輝人ら強力な攻撃陣にボールがつながっていた。攻撃のスイッチを入れる役割を行っており、今後もマルコスが不在となるようであれば西村がトップ下のファーストチョイスだろう。先制点は見事なヘディングであり、2ゴール目も完璧なコントロールショットを沈めている。

攻撃面で目立った西村は、守備面でも抜群の存在感を発揮している。攻撃でもそうだが、とにかく走っており、彼の鋭いプレッシングは神戸を苦しめていた。Jリーグ公式によれば走行距離は驚異の13.5kmであり、3日時点で今季のJリーグトップの数字を残している。試合後にはゴールシーンについて「攣りそうだった。まだ弱いです」とストイックぶりを見せている。

序盤はトップ下、後半に吉尾海夏が入ってからはセンターフォワードでプレイするなど、ユーティリティ性も見せた西村。マルコスの不在が響かないのはチームにとっても大きな収穫であり、仙台からやってきた30番がどこまで数字を残すのか注目だ。

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