ここまでレンタル移籍は失敗か
アーセナルで一時パトリック・ヴィエラの後継者候補とまで絶賛された男のキャリアはどうなっていくのか。
今夏アーセナルは守備的MFの補強に着手し、アトレティコ・マドリードからMFトーマス・パルティを獲得した。そしてそれに合わせ、アーセナルからアトレティコにレンタル移籍することになったのがウルグアイ代表MFルーカス・トレイラだ。
トレイラはウルグアイ代表でもプレイする実力者であり、2018年夏に加入したアーセナルでも戦力になると考えられていた。しかしイングランドの環境に合わないところもあったのか、今夏にアトレティコへ向かうことになった。
では、アトレティコでの現状はどうなっているのか。リーガ・エスパニョーラで優勝争いに絡むアトレティコでもトレイラならば十分にポジションを争えるはずなのだが、ここまで全てのコンペティションを合わせて213分間しかプレイしていない。
移籍したばかりで迎えた第6節のセルタ戦にはフル出場したものの、続くレアル・ベティス戦は45分のみで交代。ここから先発出場はゼロだ。
新型コロナウイルスの影響で数試合欠場したことも痛かったが、0-2で敗れた12日のレアル・マドリード戦でもトレイラはベンチに座ったままだった。ここまでレンタル移籍が機能しているとは言い難い。
アトレティコの中盤ではチームの精神的支柱でもあるコケ、メキシコ代表のエクトル・エレーラ、そして攻撃面で覚醒した印象もあるマルコス・ジョレンテ、さらにはジョフレイ・コンドグビアも加わるなど実力者が揃う。アーセナル以上に競争は熾烈と言うことができ、トレイラも割って入るのに苦労している。
アーセナルではサポーターからヴィエラの後継者候補としても期待されていただけに、現状は寂しい。ウルグアイのMFらしい粘り強さと足下の技術は大きな魅力だが、アトレティコでそれを存分に発揮する時はくるか。