マンUがクラブのレジェンドであるオーレ・グンナー・スールシャールを監督に迎えたのは、なによりも栄光の時代を知る人物で、勝ち方を知った男とともに復権を果たすためだった。しかし、スールシャール監督は積極的に若手をピッチに送り出すものの、選手任せになっている傾向があり、うまくチームが機能していない。開幕当初は活躍したダニエル・ジェイムズも厳しいマークの前に苦しんでいる。チームメイトのサポート、まわりとの連携が彼を助けることになるが、とくに攻撃に関してはアイデアがなく、早くも手詰まりになっている。
ポール・ポグバ、ジェシー・リンガード、マーカス・ラッシュフォード、アントニー・マルシャル。間違いなく、良質な選手が揃っている。最終ラインには大金をはたいて獲得したハリー・マグワイアもいる。就任2年目でもう基礎工事は終わっていなければならないが、第8節を終えて12位はかなり厳しい。悪いことは重なるもので、中断明けの第9節(10月20日)で首位独走中のリヴァプールと対戦する。ここでの結果によっては、スールシャール監督がいなくなる可能性も……。
ただ、その場合に誰が後任を務めるのか。結局、マンUはサー・アレックス・ファーガソンの跡を継ぐ人物をいまだに見つけることができていないのだ。とはいえ、これはリヴァプール戦で良い結果が出なかったときの話で、快勝を収め、ここをキッカケにチームが好転し、なにもかもうまくいって優勝争いに絡むかもしれない。絡むかもしれないが、現状を考えるとその可能性は低く、スールシャール監督はかなり厳しい立場となっている。
文・飯塚 健司
theWORLD238号、10月15日配信の記事より転載
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