リーグ3連覇、さらにはCL制覇を狙うマンチェスター・シティだが、第5節ノリッジ戦に2-3で競り負け、第8節ウォルバーハンプトン戦にも0-2で敗れた。2位をキープしているが、快調に勝点を伸ばす首位リヴァプールとは勝点8差となっている。無論、まだシーズンははじまったばかりでいろいろと懸念するのは早計かもしれないが、昨シーズンのリヴァプールは1敗(7分け)しかしていない。これ以上離されると、ライバルを楽にしてしまう。
敗れた2試合は主導権を握りながらもカウンターからあっさり失点しており、守備の弱さ、粘りのなさが目立っている。それもそのはずで、レギュラーCBであるジョン・ストーンズ、アイメリック・ラポルテが揃って戦線離脱している。
この緊急事態を受けて、ジョゼップ・グアルディオラ監督はニコラス・オタメンディとフェルナンジーニョの2人をCBに起用しているが、この人選が相手に“イケル”という印象を与えている。ウルブズ戦は完全に相手を押し込んでいたが、ときおり食らうスピーディーなカウンターにオタメンディが翻弄され、我慢できずに試合終盤に2失点している。
「プレミアリーグやCLに優勝するためには、シティは冬の移籍市場で選手補強すべきだ」
これは、元イングランド代表のガリー・ネビル氏が現地メディア『SkySport』に語った言葉で、CBのコマ不足を指摘している。オタメンディとフェルナンジーニョではスピードやキレに不安があり、瞬発力に優れ、縦への突破力があるストライカーの進撃を止めることができない。現状の人選で戦い続けるのか、新たな手段を講じるのか……。グアルディオラ監督の判断が注目される。
トッテナムも多数のケガ人を抱えている。新加入のジョバンニ・ロ・チェルソ、ライアン・セセニョンが稼働できず、左右のハムストリングを傷めていたデル・アリも出遅れている。加えて、第8節ブライトン戦で守護神ウーゴ・ロリスが左肘を傷め、年内復帰が絶望となっている。そして、この試合に0-3で完敗している。直前に開催されたCLのバイエルン戦にも2-7で大敗しており、10月開催の公式戦2試合にトッテナムは2得点10失点だ。就任6年目を迎えるマウリシオ・ポチェッティーノ監督はこれまで順調にチーム力を高めてきたが、ここにきて最大の危機を迎えている。
もともと、そんなに選手層が厚いわけではない。昨シーズンはCLで決勝進出を果たしたが、一方で同時期のリーグ戦ではなかなか勝点を伸ばすことができなかった。統率力のある監督のもと、選手全員が一丸となって戦う“まとまり”を大事にするチームにとって、主力に複数のケガ人が出るのはあまりにも痛い。それでも、シーズン後半戦になれば離脱している選手たちが戻ってくる。前半戦をなんとか耐え抜き、チーム力があがってくる後半戦につなげたいところだ。