現代のDFは“2トップ”の対応に慣れていない? インテルが抱える4枚のストライカーと交代策が強みとなる理由

ルカクとラウラロの組み合わせも脅威だ photo/Getty Images

バリエーション豊富な2トップを抑えるのは難しい

先週の10日に行われたチャンピオンズリーグ準決勝1stレグにて、ライバルのミランを2-0で撃破したインテル。

キックオフ直後から積極的に仕掛け、前半11分までに2点を奪う鮮やかなスタートを切ってみせた。

そんなインテルの勢いにミランは呑み込まれたわけだが、米『ESPN』がインテルの強みに挙げるのが前線の2トップだ。
今でも2トップを採用するチームはあるが、全体的には[4-3-3]や[4-2-3-1]など中央は1枚のシステムを選択するチームが多いだろうか。

同メディアはその影響もあり、2トップへの対応に慣れていないチームが増えたと指摘。ミラン戦ではエディン・ジェコとラウタロ・マルティネスが先発していたが、彼らが作るスペースに飛び込んでくるMFヘンリク・ムヒタリアンやハカン・チャルハノールの動きをミランはなかなか捕まえられなかった。これも2トップ効果と言っていいだろう。

「インテルの特長としては、2トップを選択していることだ。2トップはサッカー界で長く一般的なものだったが、現代ではやや時代遅れになっている。そのためか、ほとんどのチームは2トップを相手にすることに慣れていない」

「インテルの場合、もう一つ違いがある。抱えている4枚のストライカーがそれぞれ異なるタイプなのだ。ルカクは背が高くて力強く、推進力がある。ジェコも背は高いが、よりしなやか。パスの才能もある。ラウタロは小柄でスピードがあり、才能豊かなドリブラーだ。そしてコレアはジョーカー的存在となる。これらをインザーギは状況に応じて組み合わせを変えている」

「また、インザーギは同じ選手交代のカードを切る傾向にある。2トップの2人、ウイングバックの2人を交代させることが多く、これには明らかなメリットがある。相手のDFはラスト30分ほどをフレッシュな2トップと過ごさなければならないのだ。ウイングバックはチームで最も負担のかかるポジションだろうが、90分よりも60分に絞って全力でプレイした方が負担を軽減できる」

同メディアはこのようにインテルの強みを分析する。確かにジェコ、ルカク、ラウタロ、コレアと前線のバリエーションは豊富だ。ミラン戦では70分にジェコ→ルカク、78分にラウタロ→コレアとお馴染みの交代カードを切っており、ラスト30分でルカクが出てくるのは厄介だ。

左ウイングバックのフェデリコ・ディマルコも70分にDFステファンデ・フライと交代しており、指揮官シモーネ・インザーギにとっては鉄板のパターンと言える。

インテルの[3-5-2]は想像以上に対応が難しいのかもしれない。国内リーグでは格下相手に取りこぼすこともあるが、今季はCLではベスト4、コッパ・イタリアでは決勝進出と、ここぞの場面では勝ち切っている。

インテル攻略にはバリエーション豊富な2トップ、序盤からガンガン仕掛けてくる両ウイングバックを抑える必要があり、これにはマンチェスター・シティやレアル・マドリードといったチームも手を焼く可能性がある。

まだ2ndレグが残っているが、インテルの2トップは再びミラン守備陣を苦しめるのか。

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