ピッチサイドで走り続けて“10年” 史上最強のリーガ2強と渡り合ってきたシメオネの手腕

アトレティコを指揮するシメオネ photo/Getty Images

アトレティコを戦える集団へ変えた

2011年12月の就任から10年。ディエゴ・シメオネはアトレティコ・マドリードを欧州で戦える強豪へと成長させた。

今は泥沼4連敗と嫌なムードだが、シメオネの10年間が大成功だったのは間違いない。2009-10シーズンはリーグ戦で9位、2010-11シーズンは7位と中位を彷徨っていたクラブをリーガ2強と争えるところまで育て上げたのだ。その手腕はもっと評価されるべきだろう。

しかも2010年代のバルセロナ、レアル・マドリードのリーガ2強は史上最強クラスの強さを誇っており、その両チームと互角に渡り合ってきたのは見事と言うしかない。2013-14シーズンには2強も抑えてリーグ制覇を達成したが、バルサ&レアルが最強に近かった2010年代に21世紀初のリーガ制覇をクラブにもたらしたシメオネの功績は大きい。
シメオネは昨季もリーグ制覇へチームを導き、他にもスペイン国王杯、スペイン・スーパー杯を1度ずつ、ヨーロッパリーグは2回、UEFAスーパー杯も2回制覇した実績がある。残念ながらチャンピオンズリーグはファイナルに進んだ2回ともライバルのレアルに敗れてしまったが、ビッグクラブをねじ伏せてファイナルへ進むだけでも凄いものだ。

2019-20シーズンも前回王者リヴァプールを撃破するなど、アトレティコはシメオネの手で強豪に食らいつくファイター集団となった。その野心と熱意を10年間維持してきたことも凄いことで、シメオネはこの10年間ずっとピッチサイドで走り回ってきた。

現在は苦しい状況にあるが、シメオネがクラブ史に残る名将なのは間違いない。それはサポーターも理解しているはずで、シメオネ政権のアトレティコはリーガ2強時代に風穴を開けた特別なチームとして記憶されていくことだろう。

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