EUROの“3位でも進出可能”システム問題 出場国増加は正しかったのか

前回のポルトガルは3位から優勝 photo/Getty Images

グループの戦いが甘くなる可能性も

EURO2020はグループステージから大きな盛り上がりを見せているが、やはり気になるのはレギュレーションだ。

ワールドカップでは各グループの上位2チームしか決勝トーナメントに進めないが、EUROはグループ3位のチームにも決勝トーナメント進出のチャンスがあるレギュレーションになっている。

これは参加国が24に増えた前回のEURO2016から採用されているシステムで、各グループ上位2チームに加え、各グループ3位の中から成績上位の4チームが決勝トーナメントへ上がることが出来る。最終的には16チームが決勝トーナメントに進むため、グループステージで脱落するのは8チームのみだ。

以前のEUROは8チームしか決勝トーナメントに進めなかったため、決勝トーナメントは準々決勝からスタートすることになっていた。これが前回から16チームに増えているため、ワールドカップと同じようにベスト16からの戦いとなる。

ポジティブに考えるなら、面白い一発勝負の戦いが増えることになり、サッカーファンも興奮出来るだろう。格下チームにも決勝トーナメント進出の可能性が生まれることになるため、中堅国のサポーターにとっては嬉しいルールと言える。

しかしネガティブに考えるなら、グループステージの戦いが生温くなってしまう。3位でも決勝トーナメントに進める可能性が残るため、グループ最終戦の戦いが今ひとつ盛り上がらないケースが出てくるのだ。

最も注目されたグループFは死の組と呼ばれ、フランス、ポルトガル、ドイツ、ハンガリーが激しい戦いを見せた。これがワールドカップならば決勝トーナメントに進めるのは上位2チームのみとなるため、優勝候補とされるフランス、ポルトガル、ドイツの中から脱落組が出るわけだ。今回ならば3位ポルトガルが脱落組となる。

しかしEUROでは3チーム揃って決勝トーナメントに進むことが可能となり、今回もポルトガルは3位で決勝トーナメントへ進んでいる。こちらの方が楽しいと考えるサッカーファンもいるだろうが、物足りないと考える人もいるだろう。

ポルトガルは前回大会を制したが、当時はグループステージで1勝も出来なかった。3試合とも引き分けに終わり、最終勝ち点は3点。過去のEUROなら敗退だったが、前回も新たなレギュレーションのおかげで3位から決勝トーナメントに進むことになった。結果的にポルトガルは2大会続けてこのシステムの恩恵を受けたことになる。

そして前回大会はそのまま優勝。この展開は誰も予想していなかったかもしれないが、いきなり3位システムが力を発揮したことになり、当時もポルトガルの優勝には賛否両論あった。

今回も3位で勝ち抜けたチームが優勝すれば議論が起こるかもしれないが、このレギュレーションがベストなのだろうか。出場国が24に増えているため、このシステムは仕方がないところもある。しかし、3位通過が許されることによってグループの戦いが温く感じられてしまう部分もある。今回も勝ち上がりによっては様々な意見が生まれることになりそうだ。

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