冨安、鎌田、遠藤に続け “2人の日本人”は今夏のステップアップなるか

伊東はドリブルやクロスを武器にベルギーで結果を残している photo/Getty Images

今季ベルギーリーグで主力として大活躍

今季の欧州サッカーで活躍を続ける代表的な日本人選手として、イタリア・セリエAのボローニャに所属するDF冨安健洋、ドイツ・ブンデスリーガのフランクフルトに所属するMF鎌田大地、シュツットガルトに所属するMF遠藤航の3選手が挙げられる。

彼ら3人に共通するのがベルギーのジュピラー・プロ・リーグからステップアップをはたし、移籍先でも主力に定着、今や日本代表にも欠かせない選手に成長した点だ。冨安、遠藤はシント・トロイデンからイタリア、ドイツに活躍の場を移し、ドイツ1年目は出場機会に恵まれなかった鎌田も、2人と同じくシント・トロイデンでの武者修行を経て、復帰したフランクフルトではチームに欠かせない選手へと変貌を遂げた。

そんな彼らと同じく今季ベルギーの舞台で活躍を続け、今年夏の移籍市場でのステップアップを期待したい日本人選手がいる。ヘンクに所属するMF伊東純也と、シント・トロイデンに所属するFW鈴木優磨の2人である。
2019年2月に柏レイソルから移籍した伊東は、大きな挫折もなくベルギーの地で経験を積み続けている。ベルギー移籍初年度にはリーグタイトル獲得とヨーロッパリーグ出場をはたし、移籍2年目にはチャンピオンズリーグの舞台も初めて経験した。今季もここまでリーグ戦で7得点8アシストと主力として目に見える結果で貢献。リーグ得点王のポール・オヌアチュにも伊東から4本のアシストを送っている。

そんな伊東のステップアップの移籍先の候補としてフランスのリーグ・アンはどうだろうか。昨年の日本代表の欧州遠征では、カメルーンやコートジボワールといったアフリカ選手相手にも持ち味のドリブルやスピードが通用することを証明した。アフリカ系の選手が多く、1対1での勝負が求められるリーグ・アンは伊東の持ち味が十分活きる舞台といえるだろう。

一方、2019年夏に鹿島アントラーズからシント・トロイデンに加入した鈴木は、初年度となった19-20シーズンに7得点を挙げると、今季は現時点で得点ランキングで4位につける14ゴールを奪取。これはチームの総ゴール数の40%にあたり、得点ランキングトップのオヌアチュ(ゲンク/23得点)、2位のトーマス・アンリ(ルーヴェン/19得点)に次ぐ3位の数字である。まさにシント・トロイデンのエースに成長したといえるだろう。

そんな鈴木の移籍先の候補としては、自身も興味を示しているイタリア・セリエAを挙げたい。クリスティアーノ・ロナウド、ロメル・ルカク、ズラタン・イブラヒモビッチ、チーロ・インモービレなど多種多様なストライカーが揃うセリエA。イタリアの地で経験を積むことは鈴木のストライカーとしての成長を促す助けとなってくれるのではないだろうか。

冨安、鎌田、遠藤らが移籍先で活躍をはたすなど、ベルギーリーグからのステップアップ移籍は近年の欧州サッカーにおいて日本人選手のトレンドとなりつつある。今季目覚ましい活躍を続ける伊東や鈴木はその流れに乗り、新たな挑戦の場を求めることになるのだろうか。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.291 究極・三つ巴戦線

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ