ガットゥーゾをイタリア代表監督にするのはやめておけ? イタリアサッカー連盟は混乱している「明確なビジョンを持っていないことの表れ」

イタリア代表監督候補に挙がるガットゥーゾ photo/Getty Images

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2026W杯へ早くも黄信号

今月6日に行われた2026ワールドカップ欧州予選でノルウェー代表に0-3で敗れたイタリア代表は、指揮官ルチアーノ・スパレッティの解任を決定。次のモルドバ戦は2-0で勝利したが、ワールドカップへ早くも黄信号が灯りつつある。

スパレッティの後任候補には今季ローマを救ったクラウディオ・ラニエリの名前が浮上していたが、ラニエリはこれを否定。現在では元イタリア代表のジェンナーロ・ガットゥーゾが後任候補に浮上している。

この動きについて、『Football Italia』のスージー・カンパナーレ記者はガットゥーゾはやめておけと苦言を呈している。ガットゥーゾは現役時代に2006ワールドカップを制するなど偉大なキャリアを築いてきたが、指揮官としては目立った成績を残せていないからだ。
「2006ワールドカップの優勝メンバーだからといって、優れた監督になるわけではない。我々はその世代が指導者として失敗し、挫折していく姿を何度も見てきた。ファビオ・カンナバーロだって指揮官としては説得力に欠ける。ガットゥーゾもこれまでの仕事はほとんどが短命に終わっていて、結果を出せていない。2シーズンフルに指揮したのは、セリエCとセリエBで戦ったACピサ時代だけだ。そして指揮官として唯一のタイトルはナポリ時代のコッパ・イタリア制覇だけだ」

「スパレッティの下で低迷したチームにガットゥーゾを投入し、選手たちのお尻を叩いてほしいとの思いも分かるが、それは間違ったアプローチだろう。何よりイタリアサッカー連盟がラニエリからガットゥーゾと、全く対極にいるとも言える人物を次々と候補に挙げるあたり、彼らが明確なビジョンを持っていないことの表れだ。ガットゥーゾの人材管理アプローチはラニエリの優しいタッチとは程遠いものである」

最後に同記者が推薦したのは、ローマOBで元イタリア代表選手のダニエレ・デ・ロッシだ。デ・ロッシはロベルト・マンチーニがイタリア代表を指揮していた2021年から2022年にかけてアシスタントコーチを務めており、代表の空気を現役選手・指導者の両方で知っている。

決して経験豊富な指揮官とは言えないが、同記者は劇薬のガットゥーゾよりは幾分マシと考えているようだ。ワールドカップ1年前の段階でこのような状態にあるのは大問題だが、イタリアは出場権を掴めるのか。2018、2022に続いて3大会連続の予選敗退コースも十分に予想できる状態だ。

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