成功率100%、全49回から分析するマンチェスター・シティのスローインの目的 Jリーグで話題のロングスローは0回

スローインをするマンチェスター・シティのアケ photo/Getty Images

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フィールドプレイヤーが唯一手を使っていい場面でもある

Jリーグではロングスローを得意とするFC町田ゼルビアの躍進もあってスローインについて取り上げられる機会は多いが、欧州で注目される回数はそれほど多くない。

データサイト『Opta』によると、プレミアリーグのマンチェスター・シティはここまでのリーグ戦3試合ですべてのスローインを成功させている唯一のチームだという。英『The Athletic』の記者であるサム・リー氏は成功した全49回のスローインを分析し、記事にまとめている。

シティのスローインは目的が明確で、それはスローインがなかったかのようにプレイを再開させることだ。基本的に近い味方にボールを渡し、CBもしくはGKまで一度戻して場をリセットしている。
スローインは再開に時間がかかれば受け手が相手にマンマークされ、出す場所がなくなってしまう。ペップ・グアルディオラはボールロストを嫌う監督で、素早く再開させるのはボールを失う確立を限りなく低くしたいからだろう。

アタッキングサードまでボールを進めてもスローインからの再開が難しいと判断すれば、一度最終ラインまでボールを戻すこともある。全49回のうち相手ペナルティエリア内に直接スローしたのは2回のみで、それも町田のようなゴール前に届けるロングスローではなく、ポケットを取るようなスローインだった。アーリング・ハーランドのようなサイズのあるFWがいてもこの数字であり、ロングスローは効果的なアイデアとは思われていないのだろうか。

ただ、こういった一度最終ラインに戻すことができるのは、相手のハイプレスをいなせるビルドアップをできることが前提であり、シティの傾向に多くのチームが当てはまることはないだろう。

欧州ではそれほどトピックに上がることのないスローインだが、インターナショナルマッチウィーク明けに試合を観戦することがあれば、それぞれのチームがどのようにスローインを行っているのか注意深く見ると何か発見があるのかもしれない。


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