“平均27.8歳”の日本代表はW杯でポルトガルに次ぐ2番目のベテラン集団に? カギ握る長友らの経験値

2010年大会から日本を知る長友 photo/Getty Images

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経験値が活きるのはロシア大会でも証明された

まだワールドカップ・カタール大会のメンバーが決まったわけではないため、日本代表の最終メンバー構成がどうなるかは分からない。

ただ、ベテラン勢が1つのカギを握っているのは間違いない。2022年に入ってから招集された選手を合わせると、日本代表の平均年齢は27.8歳。移籍情報サイト『Transfermarkt』がまとめているが、これはワールドカップ出場を決めている国の中では28歳のポルトガル代表に次いで2番目に高い数字となっている。

ポルトガルではGKルイ・パトリシオ(34)、FWクリスティアーノ・ロナウド(37)、ジョゼ・フォンテ(38)、DFペペ(39)らがメンバーに入っているため、そのぶん平均年齢が押し上げられているところがある。若手が増えてきているとはいえ、ロナウドやペペらベテラン組もチームの柱だ。おそらくは本大会でも平均年齢高めなポルトガル代表となるだろう。
構図は日本も似ていて、GK川島永嗣(39)、権田修一(33)、DF吉田麻也(33)、長友佑都(35)、FW大迫勇也(31)、DF酒井宏樹(31)ら30オーバーのプレイヤーが主力を担っている。

もっとも、ベテランが多い構成がダメということはない。4年前のロシア大会での日本代表の平均年齢は28.3歳となっていたが、経験値を活かしてベスト16進出を果たしている。今回のカタール大会でもチームの精神的支柱となるベテラン組が1つのカギとなるのは間違いない。

吉田も最終ラインを統率するキーマン photo/Getty Images

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2026年大会からは本格的な世代交代となるか

また、吉田や長友、川島といった2010年の南アフリカ大会、2014年のブラジル大会に出場していた選手たちは、このカタール大会が最後のワールドカップになる可能性が高い。すでに本田圭佑や長谷部誠、岡崎慎司らは代表を離れているが、この世代にカタール大会で1つの区切りがつくことになる。この大会が終われば、4年後へ日本代表も本格的に世代交代へ動くことになるだろう。

それはMF原口元気(30)、MF遠藤航、柴崎岳、FW伊東純也(29)らにも言えることで、彼ら全員が4年後もトップパフォーマンスを維持できているかは未知数だ。2026年大会を迎える頃には、代表の顔ぶれもかなり変わっているかもしれない。

そうした意味では、ベテラン勢が今大会にかける思いは強いだろう。特に川島、長友といった選手は2度ワールドカップ・ベスト16を経験しており、もうベスト16では満足できない。もう一段上のベスト8の景色を見たいと考えているはず。カタール大会はスペイン、ドイツと同居する厳しいグループにはなったが、この難しいグループでこそベテラン選手の経験値に期待したい。

果たして日本のベテラン勢はカタールの地でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。2010年代より代表を引っ張ってきたベテラン勢の最高のパフォーマンスに期待だ。

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