控えに甘んじるドイツ代表GKレノがアーセナル残留を決意 正守護神奪回に成功したデ・ヘアの再現なるか

アストン・ヴィラ戦では見事なセーブでチームを救ったレノ photo/Getty Images

1枠を巡るGKのレギュラー争いはいつだって熾烈だ

今季シェフィールド・ユナイテッドからアーセナルへとやってきたアーロン・ラムズデールに、守護神の座を奪われてしまったドイツ代表ゴールキーパー、ベルント・レノ。今季のプレミアリーグ出場数はわずか4試合に留まっており、3月の代表戦ではついに招集メンバーからも外されてしまった。

実力者であるレノの元には、当然いくつかのチームから関心が寄せられた。今冬の移籍も噂されていたが、結局レノはアーセナルに残留。引き続きほとんどの試合をベンチで過ごしながら、シーズンは終盤戦へと突入した。

英『The Mirror』によれば、レノは当初、自身をレギュラーから外したミケル・アルテタ監督に不満を感じていたという。しかしレノは次第にこの扱いを受け入れ、ラムズデールとのポジション争いに挑むことを決めたという。レノとアーセナルの契約は残り1年。今夏こそは古巣のレヴァークーゼンなどに移籍するのではという噂も流れていたが、このままアーセナルに残ることとなるかもしれない。

果たしてこの決断が吉と出るか、凶と出るか。冷静に考えれば、30歳でドイツ代表からも落選したレノを起用する可能性よりも、23歳の若さでイングランド代表にまで上り詰めたラムズデールを引き続き起用していく可能性の方が高い。しかし必ずしもそうとは言い切れないのは、ここ1~2年のマンチェスター・ユナイテッドにおける前例があるからだ。

マンチェスター・ユナイテッドでは昨シーズン、アカデミー出身のディーン・ヘンダーソンがレンタル先のシェフィールド・ユナイテッドから復帰。シーズン終盤には不調のダビド・デ・ヘアから守護神の座を奪い、リーグ戦13試合に出場した。ところが今シーズンに入るとヘンダーソンは怪我や新型コロナウイルス感染などに苦しみ、デ・ヘアに先発の機会を与えてしまう。そして再びゴールを守るようになったデ・ヘアは完全に調子を取り戻し、ヘンダーソンがポジションを奪い返す隙はなくなってしまった。

このように、レノにもラムズデールから守護神の座を奪い返すチャンスがやってこないとも限らない。最も理想的な解決策として挙げられるのは、アーセナルのチャンピオンズリーグ出場権獲得だ。ラムズデールがリーグ戦、レノがチャンピオンズリーグというように、役割分担をして出場機会を分け合うことができれば、レノの残留はベターな選択となる。

現在リーグ5位のアーセナルがチャンピオンズリーグに出場するためには、今後もう一つ順位を上げる必要があるが、レノの決断は今季のアーセナルの出来次第となるかもしれない。

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