瞬く間に超絶ドリブラーの穴は埋まった ウイングとして覚醒するセリエA中堅クラブの星

サッスオーロで印象的なパフォーマンスを披露しているトラオレ photo/Getty Images

ボガの不在を感じさせない男

今冬の移籍市場にて、イタリア・セリエAのサッスオーロはリーグ屈指の実力を誇るドリブラーを失った。そのドリブラーとは、もちろんアタランタに引き抜かれたジェレミー・ボガのことだ。それまで攻撃陣の重要な戦力として機能していた男を失ったことで、同クラブの前線は迫力不足に陥ると予想していた人も少なくなかったことだろう。この移籍決定当初、現地では同クラブが彼の穴を埋めるのには少し時間がかかると予想するメディアも少なくなかった。

しかし、そんなボガの代役は意外にもあっさり見つかった。現在、サッスオーロの左サイドで圧倒的な存在感を見せつけているのはMFハメド・ジュニオール・トラオレ(22)だ。

ボガの移籍に際して、当初サッスオーロが彼の後釜候補とみなしていたのは冬にローゼンボリ(ノルウェー1部)からレンタルで獲得したFWエミル・セイデだったことだろう。しかし、この20歳を差し置いて超絶ドリブラーの穴を埋めたのは、それまで主に攻撃的MFとしてプレイしていたトラオレだった。同選手はアフリカ・ネイションズカップによる離脱から復帰してすぐに左ウイングへとコンバートされると、以降はアタランタへとステップアップした同胞にも負けぬ存在感を発揮。抜群のドリブルセンスを武器に相手守備陣を翻弄し、直近のリーグ戦5試合では2ゴール2アシストの活躍を披露しているのだ。
「まさかボガの穴がここまで簡単に埋まるとは……。それも、トラオレがその役割を完璧にこなしていることに驚きを隠せないファンは多いはずだ」

そんなトラオレの覚醒には伊『Leggo』もこのように驚きを露わにしている。先述した2ゴール2アシストがASローマやインテル、フィオレンティーナといった上位勢相手に稼いだものということからも、現在のトラオレがいかに支配的な存在かというのは窺い知ることができるだろう。イタリアの中堅クラブで一気にサイドアタッカーとしての才能を開花させているトラオレ。その強烈なプレイからは今後も目が離せない。

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