三笘を活かす指揮官デ・ゼルビの手腕に称賛を “3カ月前”のリヴァプール戦からガラリと変わったブライトン

ブライトンを指揮するデ・ゼルビ photo/Getty Images

ポッターから受け継いだチームに独自の哲学を

前節リヴァプールを3-0で撃破するなど、絶好調のブライトン。チームでは日本代表FW三笘薫も絶賛されているが、指揮官ロベルト・デ・ゼルビの手腕も称えられるべきだろう。

今季のブライトンはグレアム・ポッターの下でスタートしたが、ポッターはブライトンでの功績から昨年9月にチェルシーより引き抜かれた。ブライトンとしてはシーズン途中に指揮官が交代することになり、痛手となったのは間違いない。

しかし、今ではそんな問題を感じさせない抜群のパフォーマンスが続いている。後任に就いたのはイタリア人監督のロベルト・デ・ゼルビだが、この監督交代劇からもう一段ギアが上がった印象さえある。
データサイト『WhoScored』が注目したのは、昨年10月に3-3で引き分けたリヴァプール戦だ。今季1回目の激突となった10月のリヴァプール戦では、ポッターの下で使用していた[3-4-2-1]のシステムでスタート。前線はダニー・ウェルベックを頂点に、レアンドロ・トロサールとパスカル・グロスが背後からサポートする形となっていた。

しかし、先日3-0で勝利した2度目のリヴァプール戦では前線の組み合わせが大幅に変化。デ・ゼルビが指揮するブライトンは、2度目のリヴァプール戦ではシステムも[4-2-3-1]へと変え、最前線には18歳のFWエヴァン・ファーガソンが抜擢。

左サイドには三笘、右にはソロモン・マーチ、トップ下にはベテランのアダム・ララーナが入っている。最近は4バックがメインとなっており、ロベルト・デ・ゼルビはポッターが残したスタイルを活かしつつ、徐々に自分のカラーを打ち出すことに成功したのだ。三笘がブレイクしているのもその1つで、ロベルト・デ・ゼルビの手腕も称えられるべきだろう。

最終ラインも10月のリヴァプール戦ではジョエル・フェルトマン、アダム・ウェブスター、キャプテンのルイス・ダンクが3バックを形成していたが、このうち2度目のリヴァプール戦で先発したのはキャプテンのダンクのみ。フェルトマンとウェブスターはベンチスタートとなり、ダンクの相棒にはチェルシーからレンタルで獲得した19歳のDFリーヴァイ・コルウィルを起用している。コルウィルは11月から主力に定着しており、このあたりもロベルト・デ・ゼルビのカラーと言える。

シーズン途中からの就任はかなり難しかったはずだが、前政権の良さを活かしながらチームをさらに前へ進めたロベルト・デ・ゼルビ。選手はもちろんだが、ロベルト・デ・ゼルビもMVP級の働きと言えそうだ。

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