危機察知能力に長けた狩人・橘田健人 23歳にして川崎フロンターレで代えの効かない男

アンカーとして地位を確立している橘田 photo/Getty images

川崎は中盤を育てるのが上手い

Jリーグ開幕前の富士フイルム・スーパーカップ戦では浦和レッズに敗れて今季をスタートさせた川崎フロンターレ。田中碧、三笘薫に加えて旗手怜央の放出が響いているのか、浦和に完敗となった。

リーグ戦が始まっても開幕のFC東京戦は1-0で勝利するのがやっとであり、続く対横浜F・マリノスには2-4と大敗している。が、その後は浦和にリベンジするなど白星を掴み、ここまで6試合を消化して4勝1分1敗とリーグ戦では首位に立っている。消化試合数の差もあってこの順位だが、そこまで状況は悪い方向には進んでいない。むしろ良い方向へと歩み始めている。

それを支えているのはアンカーの橘田健人か。加入した昨季はプロ1年目ながらリーグ戦では29試合に出場した橘田。序盤はインサイドハーフでの起用が多かったが、徐々にポジションを落として今ではアンカーでスタメンとなっている。スーパーカップと開幕戦はプレイできなかったが、F・マリノス戦から復帰しており、そこからは5試合連続でのスタメンフル出場となっている。

ビルドアップ能力に守備技術の高さを両立している選手であり、アンカーとして必要な能力を高水準で備えている。ビルドアップではミスが少なく、1-0で勝利した名古屋グランパス戦ではパス成功率88%を記録。縦につける楔のパスだけでなく、味方をスペースに走らせるロングフィードも得意としており、川崎の心臓として輝いている。ポジショニングもよく、パスワークの中でタメを作れる存在だ。守備では出足の早さが光っており、名古屋戦では6度のタックルを成功させている。ボールを奪う技術もそうだが、相手の考えを先読みして行動ができ、危機察知能力が高い。

23歳にして川崎で唯一無二の存在となっている橘田。川崎としては頼もしい選手が出てきたが、橘田を起用できない際のアンカーは解決策が見つかっていない。ジョアン・シミッチ、大島僚太がこのポジションでプレイできるものの、クオリティはやや落ちてしまう。アンカーというポジション上、チームの出来を左右するポジションであり、今後の鬼木監督の采配に注目したい(データは『SofaScore』より)。

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