PSGとはまた違う巧みな補強戦略 “レンタル組”が躍動するマルセイユが面白い

サリバを筆頭に、今季のマルセイユには興味深いレンタル戦士が揃っている photo/Getty Images

ビッグな補強はなくても注目すべし

2021-22シーズン、ここまで第26節までを終えてリーグ・アンで2位につけているのがマルセイユだ。首位を走るパリ・サンジェルマンとは15ポイント差をつけられているものの、現時点での戦いぶりは称賛されるべきだろう。

ましてや、マルセイユは昨夏に大幅な戦力の入れ替えを行なったチームだ。昨季まで主力としてプレイしていたFWフロリアン・トヴァンやDF酒井宏樹といった選手を放出し、彼らに代わる新たな主軸を多数補強することとなった同クラブ。チームの形が定まるまでには少し時間を要するかとも思われたが、その最初のシーズンでさっそく結果は出ている。

なかでも、チームの中で素晴らしい働きを見せているのがレンタル組だ。ASローマからやってきたGKパウ・ロペスやFWジェンキズ・ウンデル、そしてアーセナルから貸し出されているDFウィリアム・サリバとMFマッテオ・グエンドウジの4人は大車輪の活躍を披露中。それぞれ所属元のクラブでは出場機会に恵まれなかったものの、フランスではその実力を遺憾なく発揮している。
パウ・ロペスは安定したセービング能力とパスセンスを駆使してチームを最後方から支え、ウンデルは右ウイングとして公式戦32試合の出場で9ゴール3アシストを記録中。そしてサリバは今や最終ラインでは絶対的な存在となり、グエンドウジもアグレッシブなプレイスタイルで中盤の要として機能している状況だ。それぞれ、獲得時に求められていたことはしっかり遂行できていると言っていいだろう。

他クラブからレンタルしてきた実力者を巧みに組み合わせ、今季のリーグ・アンをかき乱す存在となっているマルセイユ。PSGのようなスター軍団も興味を引く存在だが、こうした巧みな補強策で生き残りを図る名門クラブも面白い。

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