49得点4失点と圧倒的なのに“2位”の不思議 オランダ王者を脅かすオランダの名門2クラブ

エールディヴィジで3位につけるフェイエノールト photo/Getty Images

エールディヴィジの優勝争いが意外な盛り上がり

16試合を消化して49得点4失点。オランダの名門アヤックスはチャンピオンズリーグと同じく国内リーグでも見事な攻守を披露しているのだが、そんなアヤックスが実は現在エールディヴィジで2位なのだ。

49得点4失点の数字を残しながら首位じゃないのは何とも意外な展開だが、現在首位は日本代表MF堂安律の所属するPSVだ。

勝ち点は首位PSVが37点で、それを2位アヤックスが1ポイント差で追っている状況となっている。PSVの方は40得点23失点とアヤックスに比べると平凡な得失点なのだが、アヤックスの方は11勝3分2敗といくつか格下相手に取りこぼしている。今はPSVが必死に絶対王者相手に逃げ切りを図っている最中というわけだ。
PSVには堂安をはじめMFマリオ・ゲッツェ、コーディ・ガクポら実力者は揃っているものの、アヤックスを抑えて首位に立っているのは意外だ。

面白いチームはPSVだけではない。19日にホームでアヤックスを迎え撃つ3位フェイエノールトも興味深い。ここまでアヤックスと同じ勝ち点36を稼いでおり、懸命に王者へ食らいついている。

アヤックスといえば優秀な若手が多いことで有名だが、それはフェイエノールトも同じだ。現在エールディヴィジで最多となる55回のドリブルを成功させているコロンビア代表FWルイス・シニステラ(22)、得点ランク2位となる9得点を挙げている186cmの大型オランダ代表MFフース・テイル(23)、チームの下部組織出身で今年オランダ代表デビューも果たした攻撃的左サイドバックのタイレル・マラシア(22)、過去にはアーセナルからの関心も噂された20歳のトルコ代表MFオルクン・コクチュなど、興味深い若手が揃っている。

特に今夏ロシアのスパルタク・モスクワからレンタルでフェイエノールトにやってきた攻撃的MFのフース・テイルはオランダ代表にとっても魅力的な人材だ。2018年に代表デビューして以降は声がかからなかったのだが、今季の活躍から3年ぶりにワールドカップ欧州予選で召集を受けた。今年9月のトルコ戦では得点も記録しており、フェイエノールト移籍で化けた選手だ。来年のワールドカップメンバーにも入ってくるかもしれない。

また、フェイエノールトでは31歳のFWブライアン・リンセンがアヤックスFWセバスティアン・ハラーと並ぶリーグトップタイの10得点を挙げている。リンセン(10得点)、フース・テイル(9得点)とフェイエノールト組が得点ランク1位・2位にランクインしているのが特長的で、先ほど紹介したドリブラーのシニステラも7得点を挙げるなど攻撃陣が元気だ。

成績的にはアヤックスが首位を快走していてもおかしくないのだが、PSVとフェイエノールトの頑張りによってエールディヴィジの優勝争いは盛り上がっている。フェイエノールトが19日にホームでアヤックスを撃破すればさらなる盛り上がりとなるが、フェイエノールトは王者を潰してしまうのか。アヤックスもチャンピオンズリーグだけに集中していればいい状況ではない。

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