元ブラジル世代別代表の肩書きは伊達じゃない レイソル“崩しの切り札”が見せる質の高さ

今季の柏で好パフォーマンスを継続しているM・サヴィオ photo/Getty Images

C大阪戦でも随所に好プレイ

2021年の明治安田生命J1リーグ序盤戦、柏レイソルは重心を低くした相手の崩し方に手を焼いていた。カウンターの精度は決してそこまで悪くないのだが、相手にボールを持たされたときの手数が少ない。そんな印象は強かった。

しかし、シーズンが進むにつれて、柏では新たな“崩しの切り札”と呼べる選手が存在感を強めてきた。彼が安定して試合に出場できるようになったことで、レイソルには少しずつ新たな形が見えてきたと言っていい。その選手とは、MFマテウス・サヴィオ(24)だ。

昨季は怪我の影響などもあって、なかなか継続して試合に絡むことができなかったM・サヴィオ。しかし、今季の同選手は出遅れながらも、後半戦にチームの攻撃を司る存在として中盤や前線で奮闘を見せている。柏は夏の移籍市場でMF江坂任を失ったものの、現状で彼の抜けた穴をさほど感じないのはこのブラジル人アタッカーが好パフォーマンスを維持しているのも理由の一つと言える。
そして、そんなM・サヴィオは7日に行われた明治安田生命J1リーグ第35節のセレッソ大阪戦でも、随所にその攻撃性能の高さを示してみせた。この試合に右サイドのアタッカーとしてフル出場を果たした同選手は、高いテクニックと抜群の推進力を武器に相手守備陣を何度も切り裂いた。最後のところでC大阪守備陣の粘り強い対応には手を焼いたものの、16分と63分には華麗なターンからチャンスを演出。チームが決勝点を挙げた86分のシーンでは、そのキッカケとなる縦パスを武藤雄樹に供給してゴール奪取の起点に。そのクオリティの高さは、誰もが認めるところだった。

かつてブラジル世代別代表では、FWリシャルリソン(現エヴァートン)やMFルーカス・パケタ(現リヨン)といった選手たちとしのぎを削ったM・サヴィオ。以前よりそのポテンシャルの高さにファンの期待は集まっていたが、いよいよ彼は本領発揮か。これからもレイソルの攻撃を司る“崩しの切り札”には注目したいところだ。

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