敗因は不運な判定だけではない ベルマーレがJ1残留に向けて改善すべきこと

27日のレイソル戦では、ベルマーレの弱点が浮き彫りとなった(写真はイメージ)photo/Getty Images 

2度のリードを守りきれず

明治安田生命J1リーグの第20節が27日に行われ、湘南ベルマーレが柏レイソルに2-4で敗れた。

ベルマーレは18分に、DF畑大雅のクロスに反応したFW町野修斗が左足を振り抜き、先制ゴールをゲット。48分にMFオリベイラが自陣ペナルティエリア内でハンドの反則を犯し、これによるPKをFWペドロ・ハウルに決められて同点に追いつかれるも、78分にDF石原広教が蹴ったフリーキックにFWウェリントンがヘディングで合わせ、勝ち越しゴールを挙げた。

84分にも町野のシュートがゴールネットを揺らし、追加点獲得と思われたが、ビデオアシスタントレフェリーからの助言を受けてオンフィールドレビューを実施した主審が、シュートの直前に町野がハンドの反則を犯していたと判定。ベルマーレの3点目は幻となった。
ボールは町野の肩付近に当たっているようにも見え、ハンドの反則と断定し難い場面であったが、この微妙な判定から試合の流れが一変。レイソル陣営のパワープレイに晒され防戦一方となったベルマーレは、アディショナルタイム3分に相手のクロスのこぼれ球をDF大南拓磨に押し込まれ、リードを守りきれず。その後もレイソルの猛攻を受け、アディショナルタイム9分にFWクリスティアーノ、同12分にもDF北爪健吾のクロスに反応したペドロ・ハウルにゴールを決められ、ベルマーレは手痛い逆転負けを喫した。

57分にゴールネットを揺らしたFWタリクのシュートも、オンフィールドレビューの末に同選手がハンドの反則を犯したとみなされて無効となるなど、不運な判定に2度見舞われたベルマーレ。オンフィールドレビューが複数回行われたことで、後半のアディショナルタイムが9分に設定されたことも不運ではあったが、相手のパワープレイに対する守備が整備されていなかったことも、敗因のひとつと言えるだろう。

大南の同点ゴールのシーンでは、左サイドから敵陣ペナルティエリア中央へ侵入してパスを送ったFW神谷優太のフリーランニングを、ベルマーレの守備陣が捕捉できておらず。クリスティアーノの逆転ゴールも、不自然に空いた自陣のハーフスペース(ペナルティエリアの両脇を含む、左右の内側のレーン)を同選手に突かれたことによって喫したものだった。

相手のロングボールが自陣ペナルティエリア付近に落ちてきた際、サイドからゴール前に侵入してくる相手選手を捕まえきれなかったり、3センターバックのひとりが最終ラインから飛び出してルーズボールを競りに行ったにも関わらず、残りの2センターバックやウイングバックによる後方のスペースのカバーが間に合っていない場面が散見されるのが、ベルマーレのかねてからの弱点。今シーズンの残り18試合でより多くの勝ち点を積み上げ、J1残留を確定させるためには、この悪癖を早急に改善する必要があるだろう。

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