前節の敗戦を教訓とできた“タフな”横浜FM 数的不利はねのけ首位神戸に追いすがる

横浜FMは首位神戸を追う(画像はイメージ) photo/Getty Images

G大阪0-2横浜FM

 リーグ戦も中盤に差し掛かり、上位陣の混戦模様がより鮮明になってきた。昨年の王者横浜FMといえども絶対的地位を確立できていない。アウェイのG大阪との戦いは、前半37分FW西村のヘディングシュートで先制したものの、後半14分に右SB松原がこの試合2枚目のイエローカードで退場に。残りの30分以上を数的不利の状態で戦うことを強いられた。

 最下位G大阪が見せる激しいプレッシャーを回避しながら、後半34分には左SB永戸のブレ球FKが見事にゴールネットを揺らす。最後は追いすがるG大阪を鉄壁のDFではねのけ、前節の新潟戦の逆転負けのいやなイメージを払拭して見せた。試合後キーマンとなった3人の選手に話を訊いた。

 まずはボランチの渡辺。
「こういう難しい展開で勝ち点3を、しかもアウェイで取れたのは今後につながるのかなと思います。すごいポジティブな展開だと思います。(10人になったのは)ダメージがないことはなかったですが、あれでやることがハッキリして、全員で守って全員で攻めることがよりまとまったかなと思います。そこで追加点も奪えていい試合展開でした」

 数的不利になりシステムも変更。前線を削り中盤をボランチが横一線に並ぶ形になった。

「横幅を三人で守ることは意識していました。ひとり足りないんで、より多く走らないといけません。少しでもチームのために、走ろうと思っていました」

「(感情のコントロールの難しさもあったのでは?)どうなのかという判定もあったですが、全員集中を切らさず90分戦うことができました。次につながると思います。(松原の退場後も)みんなで話し合って、落ち着いたら大丈夫だという声かけは自然にできていました」

「(新潟戦は)先制して逆転されてしまい、絶対連敗できないという緊張感をもって1週間練習しました。今日も同じような展開で、ハーフタイムにも前回みたいにならないという声も出ていました。そこを意識して逆転されず、追加点を奪いに行き、前回の教訓が生きたと思います。ここで沈んだら優勝はないと思います」

「正直内容面で課題はありますが、まずは結果が出て、勝ちながら修正していくというか。どのゲームも修正点はあるので。しっかり次の試合に準備をしていきたいと思います」

 続いて先制ゴールを決めた西村。

「(ゴールの場面は)チームの狙い通りでした。まだまだチームとしても個人としても伸ばせるところはあります。ビルドアップすることが目的ではなく、ゴールに向かっていくところがマリノスの良さ。チャレンジしたいです」

 展開が新潟戦に酷似していたが「新潟から試合の入りは後半のところは同じシチュエーションでした。自分たちで難しくしたとはいえないですが、難しくなってしまいました。こういう気持ちが出る熱い戦いになりましたが、勝ち切れたのは大きかったです」。

 最後は「今日出たあまり良くなかったところや、マリノスらしさをみんなで話し合って出したいです」とポジティブな言葉で締めた。

 1ゴール1アシストとこの試合で躍動した永戸は「(FKの場面は)中に合わせるには角度的にも難しかったので、ボールに集中して蹴ったらうまく飛んでくれました。横浜FMで初めてのゴールで無茶苦茶嬉しいです。(軌道は)狙い通りでした。ボランチ陣が(リーグ戦で)しっかり点取っていたので、僕も取れて良かったです」。

 更に先制点となった西村のヘディングシュートを演出したCKについて語った。

「狙いがあったところなので、自分もいい感触でした。マークの間に入ってくれて、チーム取れたゴールでした」

「(ここまで)ゴールにかかわるシーンが多くて満足感はあったんですが、結果がついてなかった。自分も気にしていました。セットプレーからのゴールがなくて、記録が付いたの嬉しいです」

 数的不利が30分以上続く難しい展開になったが「やるしかない。ハードワークするチーム。後ろに引くことはなく、(相手の攻撃が)サイドに来た時は自分がプレッシャーに出てカバーすることは徹底できたと思う。最後相手に二人大きい選手が中にいました。クロスにマークをつけるように意識しました」。

 その上で「もう少しボールを握れる時間を増やしたいというのはありました」。

 あくまでも横浜FMのスタイルにこだわった戦いを続けることを意識したという。選手たちは頂だけを見ているようだ。

 前節の敗戦を教訓にタフに戦った横浜FM。これで14節を終えて2位に浮上。首位をいく神戸との勝ち点差は3に縮んだ。

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