プレミアリーグは基本的にリヴァプールをはじめとするBIG6と呼ばれる6クラブが上位を争うことになる。現時点で1位のマンチェスター・シティから6位のマンチェスター・ユナイテッドまでBIG6が並んでおり、その呼び名にふさわしい実力を披露している。
プレミアが魅力といわれるゆえんは、そのBIG6に対抗するクラブがいくつもあることだろう。今季の筆頭でいえば7位のウェストハム、8位のウルブズ、以前は10位のレスター・シティが大物食いを得意としていた。
そんな彼らに加わるクラブとしてクリスタル・パレスに注目したい。今季は元アーセナルのパトリック・ヴィエラを指揮官として迎え、移籍市場では若手を中心とした補強を進めたパレス。今季はここまでで11位であり、目に見える大きな成果はそれほどなかったが、確実にチーム力は上がっている。
それは獲得された若手の成長だ。後方でいえばマーク・グエーイとヨアキム・エルナンデスが新加入ながらセンターバックコンビとして定着した。特にグエーイはリーグ戦で3043分のプレイタイムを得るなど、チームトップの数字を残している。21歳ながら攻守両面で輝ける守備者であり、チェルシーが買戻しを検討しているとの話もあった。
中盤はもちろんコナー・ギャラガーにスポットライトが当たることになる。チェルシーからのローンプレイヤーであり、来季は保有元に戻ることになるが今季のチームを支えてくれた。ウィルフレッド・ザハに続く8ゴールの得点力と豊富な運動量から繰り出されるプレッシングは魅力的であり、イングランド代表入りも果たした。パレスとしては彼の代役探しが次の移籍市場でのメインターゲットとなる。
アタッカーであればミカエル・オリーズが存在感を示した。今季2部のレディングからやってきた新顔で、独特なリズムから繰り出されるドリブルが強みである。突破力に加えてチャンスメイクもできる選手となっており、20歳ながら今季2ゴール5アシストを記録した。英『football.london』によればパレスはオリーズの能力を高く評価しており、新契約を早くも結ぶ考えだという。そこには5000万ポンド以上に契約解除条項が盛り込まれているとされており、低価格での放出を避けるためだろう。
21-22シーズンは彼らの市場価値が大きく上がるシーズンとなった。グエーイは1000万ユーロから3000万ユーロに、ギャラガーは1500万ユーロから2500万ユーロに、オリーズは1500万ユーロから2200万ユーロだ。今季の活躍ぶりであれば当然であり、より評価は高まることになる。
この若手路線を進めることができれば、パレスも前述したウェストハムらBIG6を脅かす勢力に加わることは十分に可能だろう。もちろん、主力を引き抜かれることはあるだろうが、クラブには若手を見極める目を持ったスカウトがおり、ヴィエラはその選手を生かすことができる優秀な指揮官だ。魅力だらけのクラブであり、今後の躍進に注目だ。