アフリカがサッカー界を支配する日 サラー、メンディ、ハキミ……今アフリカ戦士が熱すぎる
今のサラーは世界最高の状態 photo/Getty Images
欧州主要リーグで圧巻の活躍
今アフリカの選手たちが熱い。欧州主要リーグで大暴れしているのだ。
最も目立つのはイングランド・プレミアリーグ組か。説明不要だが、得点ランク首位に立つのはリヴァプール所属のエジプト代表FWモハメド・サラー(13得点)。今年のバロンドールはリオネル・メッシが受賞したが、今のペースならば来年はサラーが受賞してもおかしくない。プレミアの歴史に残るアタッカーだ。
そのサラーと前線でユニットを形成するFWサディオ・マネはセネガル史上1、2を争う才能で、今季もリーグ戦で7得点を奪って得点ランク4位につけている。
さらに得点ランク5位にはワトフォードでプレイするナイジェリア代表FWエマニュエル・デニスが入っている。チームが17位と苦戦する中、デニスは6得点5アシストと爆発。この働きは見事だ。
また守備の方では粗削りなところも目立つが、サウサンプトンでプレイする22歳のガーナ人DFモハメド・サリスが少しずつ評価を伸ばしている。今季ここまでのプレミアリーグでは最多となる38回のインターセプト、10番目に多い57回のクリアを記録。191cmとサイズもあり、このまま成長すれば面白い。
オランダ・エールディヴィジでは、何と言ってもアヤックスFWセバスティアン・ハラーだ。ハラーは世代別代表ではフランスを選択していたが、A代表ではコートジボワール代表を選択。今季はエールディヴィジでも9得点を挙げて得点ランク首位、さらにはチャンピオンズリーグの方でもバイエルンFWロベルト・レヴァンドフスキと並ぶ9得点で得点ランク首位だ。今季最大のサプライズFWと言ってもいいだろう。
コートジボワール代表は残念ながら2022ワールドカップ・アフリカ2次予選で敗退となってしまったが、抱えているタレントはピカイチ。ハラーは27歳だが、是非とも2026年大会こそはワールドカップで見たい。
メンディはワールドクラスのGK photo/Getty Images
GKにもスター出現
GK部門では、チェルシーで活躍するセネガル代表のエドゥアール・メンディだ。アフリカの選手は前線のプレイヤーに注目が集まりがちで、GKがここまでスポットライトを浴びるのは珍しいか。圧倒的な身体能力でシュートを次々ストップしており、シュートストップ能力ならば現世界TOP3には入ると言っていい。セネガル代表にとっては大きすぎる戦力だ。
そして意見は分かれるだろうが、米『ESPN』が発表した「現右サイドバックTOP10」にて1位に選ばれたのはパリ・サンジェルマン所属のモロッコ代表DFアクラフ・ハキミだ。
ハキミが現世界No.1の右サイドバックかは分からないが、とにかく速い。圧倒的なスピードを活かした攻撃参加は相手チームの脅威となっており、攻撃力だけならばトップクラスだ。モロッコ代表はヴァイッド・ハリルホジッチ前日本代表監督が指揮しているが、チームも安定している。来年のワールドカップに出場すれば危険なダークホースとなるかもしれない。
また少々細かいが、フランスのリーグ・アンではブレストに所属するベナン代表FWスティーブ・モウニーが面白い。得点数こそ4点だが、190cmのサイズを誇るモウニーは空中戦で勝利を連発。ここまで空中戦勝利数はリーグトップの120回を記録しており、2位のストラスブールFWルドビク・アジョルクに倍近い差をつけている(61回)。
ドリブル成功数ランキングの方では、パリ・サンジェルマンのキリアン・ムバッペに次ぐ2位にガーナ代表の新星FWカマルディーン・スレマナ(19歳)が48回の成功で入っており、3位もモロッコが誇るテクニシャンのアンジェ所属MFソフィアン・ブファル(47回)だ。
今季は何かとアフリカのタレントがサッカー界を盛り上げており、注目度は高まっている。アフリカ各国は組織力に課題があると指摘されることもあったが、そこさえ改善できれば来年のワールドカップでベスト4あたりまで食い込むチームが出てきても不思議はない。
21世紀のサッカー界をアフリカのチームが支配するシナリオは実現するのか。今季の注目度合いはこれまでと違っている(数字は『WhoScored』より。