まだ20代なのにかつての超逸材にオファーなし “ガナーズの未来”と呼ばれた男

昨季はボーンマスでプレイするも、シーズン終了と同時に退団となったウィルシャー photo/Getty Images

「本当にただ待っているのみ」

“ガラスの天才”。そう聞けば、サッカーファンが頭に思い浮かべるのは誰か。候補は何人もいるが、おそらくその中には元アーセナルMFジャック・ウィルシャーを思い出す人も少なくないだろう。彼もまた、怪我でキャリアを停滞させてしまった選手の一人だ。

2008年に16歳の若さでクラブ史上最年少デビューを飾り、アーセナル下部組織出身者の中でも最高クラスの逸材だったウィルシャー。「彼こそガナーズの未来」。当時、ファンは皆がそう信じていたことだろう。しかし、その後における彼のキャリアは怪我との戦い。負傷離脱と復帰を繰り返す日々を送りながら、次第にその存在感は薄まっていくこととなってしまった。

そんななか、ウィルシャーは2018年夏の移籍市場でアーセナルからウェストハムへと完全移籍。再びかつての輝きを取り戻すため、ガラスの天才は再起を図った。しかし、ここでも怪我の悩みが解消することはなく、在籍2シーズンでの出場はわずか19試合に終わった。そして、翌2020-21シーズンに移籍したボーンマスでも大きなインパクトは残せず。現在はフリーで新天地からのオファーを待つ状況となっている。
「プレシーズンの期間は非常に良い状態で過ごすことができているよ。とりあえず、今はコンディションを保つためにトレーニングをしてるね。まだ29歳だし、フィジカル的にはとても良い状態なんだけどな……。正直に言うと、僕は適切なチャンスが来るのを待っている状態なんだ。でも、現状では何も起こっていない。本当にただ待っているのみなんだ」(英『talkSPORT』より)

ウィルシャー本人も、一向にオファーがこない現状には焦りを感じている様子。かつてアーセナルであれほど期待されていた逸材MFが、まだ29歳で路頭に迷うとは一体どれほどの人が想像しただろうか。それほど、彼の負傷歴は獲得するクラブにとってネックになるということなのだろう。

とはいえ、ウィルシャーが輝くところを再び見たいと思っているサッカーファンは多いはず。華麗なる復活に期待したいところだが、怪我にキャリアを狂わされた“ガラスの天才”の運命やいかに。

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