「バルサはプレミアで通用しないとの認識変えた」 名将グアルディオラがイングランドの常識を覆す

マンCを率いるグアルディオラ photo/Getty Images

マンCは驚異的なパフォーマンスを披露

バルセロナ、バイエルンで成功を収めたジョゼップ・グアルディオラがマンチェスター・シティの指揮官に就任した時、グアルディオラが理想とするサッカーはイングランドでは通用しないとの意見が目立った。グアルディオラは常にボールを支配した攻撃的なフットボールを志向しているが、プレミアリーグではショートパスよりロングパスを多用するチームも多い。フィジカルの強さに訴えるところもあり、グアルディオラが目指す美しいスタイルでは戦えないと決めつけているところがあったのだ。

実際グアルディオラも1シーズン目は苦しみ、プレミア独特のカウンターアタックを喰らって中堅クラブに大敗するケースもあった。リーグ戦、チャンピオンズリーグ、国内カップ戦を含めタイトルは1つも獲れず、結果だけ見ればマンCでの1年目は失敗と言っていい。しかも近年プレミアを制したチームはカウンターを得意とするところが多かった。2015-16シーズンのレスター・シティ、昨季のチェルシーもそうだ。これはグアルディオラの理想とは異なるものでもある。

しかし今季はどうだろうか。他クラブとは次元の違うフットボールを展開し、毎試合のように大量得点を奪っている。17試合を消化した段階で黒星が1つもなく、チャンピオンズリーグ制覇の夢まで見せてくれるチームへと姿を変えている。
英『FourFourTwo』は、「イングランドではバルセロナのフットボールは通用しないとの認識を変えた」と手腕を称賛しており、プレミアリーグには確実にグアルディオラ流が浸透してきている。2011-12シーズン以降では、プレミア優勝チームの平均ポゼッション率は50・2%だった。ところが現在のマンCは66%の平均ポゼッション率を残している。

グアルディオラも1シーズン目の失敗を活かしつつ、イングランドらしい縦に速い戦術もチームに組み込むなど工夫は施している。しかしポゼッションを軸とした攻撃的なサッカーという部分は変わらず、マンCは自陣に引きこもって守りを固めるようなことをしない。グアルディオラ流に疑問を持っていたイングランドのサッカーファンもその手腕を認めざるを得ないだろう。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.291 究極・三つ巴戦線

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:海外サッカー

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ