兄・勇人との“兄弟対決”を制した佐藤寿人「僕らにとってサッカー人生を左右するような1試合」

J1復帰を目指す名古屋を支える佐藤寿人 photo/Getty Images

「できれば対戦したくないという思いもあった」

26日にJ1昇格プレイオフの準決勝が行われ、名古屋グランパスとジェフユナイテッド千葉が対戦。今季リーグ戦で18ゴールを記録していたFWシモビッチのハットトリックの活躍もあり、名古屋が4-2で千葉を撃破した。この結果、1年でJ1復帰を目指す名古屋が決勝へコマを進めている。

J1昇格がかかったこの大一番で、佐藤寿人と佐藤勇人の兄弟対決が実現。この一戦を制した双子の弟・寿人は試合後のインタビューで「嬉しいです。ジェフ千葉には今年2敗していたので、なんとしても3度目の正直で勝ち、決勝進出を決めたいと思っていた。ホームで最高の雰囲気を作ってくれたグランパスのファン・サポーターの皆さまに感謝したい」と語った。クラブの公式サイトが伝えている。

さらに「相手の良さ、特徴を理解したうえで相手の急所を突くということは考えていた」と述べた上で「ハイプレス、ハイラインでロングボールも多用してくる相手に対し、これまでは少し簡単に蹴られていましたが、今日は簡単に蹴らせないということで、一番前のロビン(シモビッチ選手)をはじめ、全員がボールに対し厳しくいった。やられるような感じのないところで決められてしまいましたが、自分たちのやるべきことをやる、監督からも後半の45分間を勝ちにいこうという言葉があり、気持ちを切り替えて後半に入ることができた。それもあり、自分たちの良さを出した後半45分だったと思う」と試合を振り返っている。
また、寿人は双子の兄・勇人との兄弟対決について聞かれると「今までであれば、単なる1試合の勝敗、勝つか負けるかというだけの試合ですが、今日においては僕も、兄の勇人も残りのサッカー人生を左右するような1試合になると思っていた」とコメント。来年3月に36歳を迎える2人にとって、キャリアの終盤を日本のトップリーグで少しでも多く過ごせるかは、やはり大きいようだ。

そして「できれば対戦したくないという思いもあった」という複雑な心境も明かしつつ「その気持ちは抜きに、とにかくグランパスのためにという思いで闘った。兄弟対決、古巣との対決ということは関係ないと思っていた。試合を終わってみると非常に残酷な結果となりましたが、それも含めてサッカー。勝者がいれば敗者もいるという世界でサッカーをしていますし、自分たちが今日勝ったことで、兄のいる古巣のジェフ千葉の分も、しっかりと決勝で勝利しJ1復帰という結果を勝ち取ることが恩返しになる。ですが、まだ何も手にしていない。また1週間、全員で良い準備をし最高の雰囲気の中で勝利を勝ち取りたいと思う」と話している。

はたして、名古屋は決勝でアビスパ福岡を退け、1年でJ1復帰を果たすことができるのか。運命の一戦は12月3日の16時に豊田スタジアムでキックオフされる予定となっている。

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