杉本健勇は日本代表にふさわしいか 2013年の柿谷、大迫を思わせるW杯1年前の大ブレイク

セレッソで大暴れの杉本 photo/Getty Images

すでに二桁13得点を記録

セレッソ大阪FW杉本健勇が止まらない。7月2日のFC東京戦からは5試合連続得点を記録し、ガンバ大阪とのダービーマッチや浦和レッズとの一戦などビッグマッチでもゴールネットを揺らしている。得点部分以外でも体の使い方が上手く、187cmのサイズを活かして前線でボールを収めるシーンも目立つ。

その杉本に期待されるのが日本代表入りで、今の活躍を考えると召集されるにふさわしい選手だろう。しかも7月にはエースの大迫勇也がトレーニングマッチで負傷し、数週間離脱することになっている。8月31日に控える2018ロシアワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア代表戦で大迫の替わりに杉本を最前線に配置する案も考えられる。

また、杉本の活躍で思い起こされるのは2013年のJリーグだ。この年は2014ブラジルワールドカップの1年前というタイミングだったが、日本代表に2人の新FWが誕生した。現在セレッソで杉本とともにプレイしている柿谷曜一郎と、大迫の2人だ。2人は2013年のJリーグで大活躍を見せ、当時代表監督を務めていたアルベルト・ザッケローニの目に留まった。
日本代表でも2013東アジア選手権でそれぞれ得点を決める活躍を見せ、一気に日本代表の常連メンバーとなった。それまでは前田遼一が最前線を担当することが多かったが、本田圭佑や香川真司など豪華な中盤に比べて1トップはやや層が薄かった。そこに若い柿谷、大迫が割って入ってきたのは大きかった。結局ワールドカップ本番では2人とも結果を残せなかったが、大迫はそこから大きく成長して今や日本代表に欠かせない存在となっている。日本代表にとって、2013年に大迫が頭角を表したのは好材料だったと言える。

そんな大迫、柿谷と杉本の活躍は似ているところがある。杉本はここまで21試合を戦って13得点を積み重ねており、気付けば浦和FW興梠慎三と並んで得点ランキング首位だ。2013年のJリーグを振り返ると、柿谷は当時21節を消化した時点で今の杉本と同じ13得点、鹿島アントラーズでプレイしていた大迫は9得点を記録していた。現時点での得点数で比較すると、杉本のペースは柿谷や大迫にも負けていない。最終的に柿谷は21得点、大迫は19得点を決め、2人はその後それぞれ海外移籍を果たしている。杉本が同じような道を辿る可能性も0ではない。

さらに現在杉本は24歳で、当時柿谷と大迫も24歳だった。ブレイクした年齢も似ていて、この勢いを日本代表に繋げてくれることに期待が集まる。当然代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチの目にも留まっているはずで、大迫が万全の状態でない場合は勝負のオーストラリア戦で思い切って先発起用する手もある。

ワールドカップを1年後に控えた中での活躍はまさに大迫と柿谷を思わせるものだが、杉本も一気にブレイクして代表の地位を確保するのか。今のパフォーマンスはロシアワールドカップ出場を目指す日本代表に入るにふさわしいと言えるはずだ。

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