[ロシアW杯#56]実力チーム対決は全くの互角も…… 苦手なPK戦を克服したイングランド

堅守が光る両チーム 流れの中からチャンス作れず

堅守が光る両チーム 流れの中からチャンス作れず

怪我から復帰を果たしたアリ。まだ本調子でないのか、あまり決定的なシーンを作ることはできなかった photo/Getty Images

今大会では決勝トーナメントのブロックの片側は比較的楽と言われているが、その中でビッグカードと大きな注目を集めていたのがイングランドとコロンビアの対決だ。試合前の予想通り堅い戦いとなり、前半も互いに決定機は多くなかった。

特徴的だったのは中盤の噛み合わせで、前半のコロンビアはファルカオとクアドラードの2枚でイングランドの3バックによるビルドアップを妨害。アンカーのヘンダーソンにはキンテーロがマークにつき、中盤の噛み合わせはマンマークに近い形での対応となった。イングランドはケインやスターリングが前線から下がってボールを引き出そうと動いていたが、思うようにシュートチャンスを作ることができない。

コロンビアは、初戦の日本戦こそ早々に退場者を出して1-2で敗れてしまったが、ポーランドとセネガル相手には無失点で勝ち点6をしっかり稼いでいる。守備はかなり安定しており、中盤のカルロス・サンチェス、レルマ、バリオスを中心に構成される守備ブロックは非常に堅かった。

試合を動かしたのはまたもやセットプレイ

試合を動かしたのはまたもやセットプレイ

PKを止め、勝利の立役者となったGKピックフォード。チームメイトからの祝福を受ける photo/Getty Images

こうした均衡の崩れないゲーム展開では、セットプレイが運命を分けるもの。このゲームもセットプレイからスコアが動いた。57分、イングランドがコーナーキックのチャンスを得ると、ボックス内で激しいポジション争いを繰り広げていたC・サンチェスがケインを後ろから倒してPKに。C・サンチェスは一瞬ケインへの対応が遅れてしまい、たまらず手が出てしまった形だ。気の毒だが、日本戦のハンドに続いてサンチェスがまたも相手チームにPKを与える結果に。これをケインが落ち着いて決めてイングランドが先制。ケインとって、今大会ではPKから3点目のゴールとなった。

先制を許したことで、コロンビアが動く。中盤で強固なブロックを形成していたうちのひとりであるレルマを下げ、スピードのあるFWカルロス・バッカを投入。さらに88分にはキンテーロに代えてサイドから仕掛けられるFWルイス・ムリエルを送り出した。やはりコロンビアもベンチメンバーは豪華だ。

それに対してイングランドは逃げ切りを狙い、このチームでは定番の交代策でもある大型MFエリック・ダイアーをデル・アリに代えて投入。より中盤のプロテクト能力を高め、1‐0でゲームを終わらせる方向で動く。

しかし、このまま終わらないのがロシアW杯だ。後半ATにコロンビアはコーナーキックからDFジェリー・ミナが今大会3点目となる強烈なヘディングシュートを決めて同点に。今大会ではコロンビアもイングランドもセットプレイを武器にしており、このゲームでも両チームのストロングポイントが活きて1点ずつ取り合う結果となった。

延長戦前半では思うようにパスを繋げなくなったイングランド相手にコロンビアが押し込む展開となったが、逆に後半はイングランドがシンプルにバーディのスピードを活かしてチャンスを掴むなど両チームは互角の戦いを披露した。

120分でも決着のつかなかった勝負の行方はPK戦に委ねられることになり、イングランドは3人目のヘンダーソンが失敗。W杯では過去に3度のPK戦を経験し、全てに敗れているイングランドが、またしてもPK戦で敗れるのかと思われた。しかし、コロンビアは4人目のウリベがクロスバーに阻まれ、、5人目のバッカはGKピックフォードが左手1本でストップ。続けて失敗すると、イングランドは5人目を任されたダイアーが何とか押し込んで、苦手とするPK戦で勝利をもぎ取った。

[スコア]
コロンビア 1–1(3 PK 4) イングランド

[得点者]
コロンビア:90+3分 ミナ
円グランド:57分 ケイン(PK)

文/冨田 崇晃

theWORLD217号 2018年7月4日配信の記事より転載
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