[ロシアW杯#19]2連勝でGL突破を決めたウルグアイ エネルギー温存も守備はきっちり! 

状況を打破したエースの一撃 スアレスが今大会初得点

状況を打破したエースの一撃 スアレスが今大会初得点

勝利の立役者となったスアレス。ゴール後に喜びを爆発させる photo/Getty Images

注目が集まったのは、やはりウルグアイが誇る世界屈指の2トップだ。エジプトとの初戦でゴールネットを揺らせなかったスアレスとカバーニが、ロシアとの開幕戦で5失点とディフェンスが崩壊したサウジアラビア相手に、はたして爆発するのか。それが勝敗以上に、ニュートラルな立場のファンの興味を駆り立てる要素だった。

もちろん、当事者であるサウジアラビアはその2トップを封殺しにかかる。4-3-3のCFを前線に残し、全員が自陣でブロックを固め、スアレス、カバーニへのパスルートを遮断。守備に重きを置く戦いで、立ち上がりから南米の雄と伍して渡り合う。

対するウルグアイは2トップに無理やりパスを送り込むのではなく、サイドからチャンスを作ろうとする。だが、サウジアラビアの分厚いブロックに阻まれ、良い形でシュートまで持ち込めない。この焦れったい状況を打破したのが、エースのスアレスだ。23分、CKに左足を合わせ、チームに先制点をもたらしたのだ。サウジアラビアからすれば、飛び出しのミスでボールに触れ損ねたGKオワイスのミスが悔やまれる場面だった。

決定機はたった2つ 総走行距離も大幅に減少したが……

決定機はたった2つ 総走行距離も大幅に減少したが……

85分、決定機を迎えたカバーニはシュートを狙うも、間合いを詰めてきたGKの好プレイに阻まれた photo/Getty Images

ここからウルグアイが試合巧者ぶりを見せつける。気温30度を超えるコンディションを考慮してか、前線から激しくボールを奪いにはいかない。ポゼッションを高めることにも拘らず、相手が最後の30メートルに侵入してきたところで守備の強度をアップ。ボールを回されても慌てずに、CBゴディンを中心に堅守を構築し、サウジアラビアの攻撃を跳ね返していく。

前述した中立のファンには、フラストレーションの溜まる展開だったかもしれない。強力2トップを擁するウルグアイが、受けに回る時間帯が長く続いたからだ。しかも、サウジアラビアの攻撃が肝心のアイデアや迫力に欠け、ウルグアイの守護神ムスレラを脅かすようなシーンは皆無。結局、1-0のままスコアは動かず、初戦ほど苦しまずに2勝目を挙げたウルグアイが、ロシアとともにグループAからの勝ち抜けを決めた。

得点シーンを除けば、ウルグアイが作った決定機は2つだけ。カバーニのクロスにサンチェスが飛び込んだ場面(62分)と、カバーニが単独突破からゴールに迫った85分のプレイだ。一方のサウジアラビアは、最後まで一度もビッグチャンスを生み出せず、世界との力の差を痛感させられる形でグループリーグ敗退が決まった。

テンションの低かった試合を裏付けるデータがある。ウルグアイの総走行距離だ。暑さが影響した部分もあるだろうが、初戦より10kmも短い101kmしか走らなかったのである。決して動きの悪くなかったベシーノとロドリゲスを59分の時点で交代させたタバレス監督の采配を見ても、文字通りの“省エネ”で3ポイントを掴んだ印象が強い。スアレスとカバーニのアベック弾こそお預けとなったが、エネルギーを温存しつつも、もうひとつの強みである堅守を披露したウルグアイが、目下絶好調のロシア・アタッカー陣をいかに封じ込めるか。ホストカントリーとの首位通過を懸けた3戦目が楽しみだ。

[スコア]
ウルグアイ代表 1-0 ロシア代表

[得点者]
ウルグアイ代表:スアレス(23)

文/遠藤 孝輔

theWORLD205号 2018年6月21日配信の記事より転載

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