米メディアはムヒタリアンの状況を心配
今季の開幕直後はアシストを量産するなど見事な働きをしていたマンチェスター・ユナイテッドMFヘンリク・ムヒタリアンは、今やすっかり影が薄くなってしまっている。開幕直後のパフォーマンスで今季のムヒタリアンは一味違うとも感じられたのだが、ここ最近は目立った活躍ができていない。
その現状を嘆いているのが米『ESPN』だ。ムヒタリアンはスピード、テクニックを併せ持つ優秀な選手だが、指揮官ジョゼ・モウリーニョはその能力を最大限活かすことができていない。ムヒタリアンの1試合平均のパス成功本数は40前後だが、ライバルのマンチェスター・シティでプレイするMFダビド・シルバは75本、ケビン・デ・ブライネも66本を記録している。ムヒタリアンはボールに絡む機会が少ないのだ。
アシストも序盤に5本固め打ちしただけで、最近は決定的な働きができていない。シュートもデ・ブライネやエデン・アザールに比べて少なく、0-1で敗れた先日のチェルシー戦では解説を務めるジェイミー・キャラガー氏が「まるで10人で戦っているみたいだった」とコメントしているほどムヒタリアンの影は薄い。
ムヒタリアンにも多少の責任はあるが、やはりモウリーニョの戦術にマッチしていない部分が大きい。同メディアはこの状況にドルトムントMF香川真司の姿を重ねている。
香川もマンUで思うように活躍できなかったが、同メディアは「香川もムヒタリアンと似たようなものだった。彼はファーガソンが指揮していた1年目に本物の実力者であるサインを見せていたが、継続してチームに入ることに失敗した。2年目はドルトムントでのパフォーマンスを再現することが期待されたが、モイーズの到着でそうした期待はストップしてしまった」と伝えている。
モウリーニョ、モイーズともにショートパスを主体とした攻撃的なサッカーを志向する指揮官ではないため、ムヒタリアンや香川が活きにくい環境ではある。特にモウリーニョが見せる強豪相手の守備的な戦い方ではムヒタリアンが試合から消えてしまう。ドルトムントからマンUに向かったムヒタリアンも香川と同じように活かされないまま終わってしまうのか。サポーターもフラストレーションを溜めていることだろう。