バカヨコでは穴を埋められず
今夏チェルシーの補強策が迷走したことを示したのが、MFエンゴロ・カンテの負傷離脱だ。カンテは10月のブルガリア代表戦でハムストリングを傷め、そこから離脱している。それからのチェルシーはクリーンシートがわずかに1試合だけで、ここ6試合では11失点と守備が崩壊している。中盤をプロテクトしてくれていたカンテの存在がいかに大きかったかが分かる数字だ。
そしてこの6試合で見えてきたのが、今夏モナコから獲得したMFティエムエ・バカヨコの能力だ。バカヨコはモナコで評価を高めたものの、カンテの領域には達していない。さらに今夏チェルシーがマンチェスター・ユナイテッドに売却したネマニャ・マティッチより優れているとも言いづらく、英『METRO』はチェルシーの改革が失敗したと切り捨てている。
バカヨコは中盤で相手を潰せる選手だが、マティッチは相手を潰すのと同時にボールをキープするだけの技術と体の強さを持ち合わせている。シンプルにボールを繋ぐことができ、失うケースも少ない。その点でバカヨコとは差がある。カンテも近年は攻撃能力が上がってきており、ただボールを狩る選手ではなくなっている。
マティッチを売却した判断は最悪のものだったと指摘されているが、ここ数試合の戦いぶりを見るとその指摘も正しいのだろう。