現在のイングランド代表は新たな世代を迎えており、ハリー・ケインやデル・アリ、マーカス・ラッシュフォードなど若い選手たちが主役になりつつある。どの選手も実力があり、上手くフィットすればワールドカップで上位を狙うことも不可能ではない。
しかし、10年ほど前の黄金世代と比較すると見劣りする部分があるのは事実だ。英『Daily Mirror』によると、2001年から5年間イングランド代表の指揮を執ったスヴェン・ゴラン・エリクソンはEURO2004と2006ドイツワールドカップのどちからで優勝しておくべきだったと後悔があるようだ。
EURO2004では準々決勝でポルトガル代表と対戦し、PK戦の末に敗北。2年後のワールドカップでも準々決勝でポルトガル代表と対戦し、PK戦の末に敗れてしまった。ポルトガル相手に2度もPKで敗れたのは非常に苦い思い出だ。
エリクソンはこの2つの大会について「2004年と2006年の両大会では、私とアシスタントのトード、それにコーチングスタッフで他国を見たが、我々より良いと思ったチームは多くなかった。我々にはチャンスがあったんだ。個人的には2006年のワールドカップは勝てたと思うし、勝たないといけなかった。ポルトガル戦でルーニーが退場になったのはアンラッキーだったと思う。我々は1時間近く10人で戦ったし、あのレベルでそれは簡単じゃない」と振り返っている。
当時のポルトガル戦ではルーニーが一瞬のフラストレーションから相手選手を踏みつけてしまい、それをマンチェスター・ユナイテッドでチームメイトだったクリスティアーノ・ロナウドが必死に主審にアピールしたことでも話題となった。ルーニーは退場処分を命じられ、イングランド代表は苦しい状況へ追い込まれてしまった。
しかもPK戦でポルトガルの勝利を決める最後のキックを担当したのはロナウドだった。イングランド代表の選手たちにとっては屈辱だったに違いない。スティーブン・ジェラード、フランク・ランパード、リオ・ファーディナンド、ジョン・テリー、アシュリー・コール、デイビッド・ベッカム、ジョー・コール、マイケル・オーウェンと、文句のつけようもない陣容だっただけに、何とももったいない終わりだった。
イングランド代表はワールドカップのタイトルから遠ざかっているが、あの2006年に獲得しておくべきだったのかもしれない。