欧州屈指のプレッシング軍団と化したナポリ 知将サッリが極めた“攻撃的守備”とは

戦術家としての評価を高めているサッリ監督 photo/Getty Images

ニースのボールポゼッションを封印

16日に2017-2018シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(以下UCL)のプレイオフ1stレグが行われ、ナポリが本拠地でニースに2-0で勝利した。

13分に先制点を挙げたFWドリース・メルテンスが「チームとして狙いをもって戦えた」(英『Daily Mail』)と振り返るなど、攻守両面において洗練されたプレイが目立ったナポリ。2015年に同クラブに赴任して以降、ハイライン&ハイプレスの原則を選手たちに植えつけてきたマウリツィオ・サッリ監督だが、その戦術がニース戦でも威力を発揮した。最終ラインを常時センターサークル付近に設定することで、コンパクトな[4-3-3]の布陣をキープ。味方同士の距離を極限まで縮めることでダイレクトパス(ワンタッチパス)を多用する速攻が可能となり、終始ニースのゴールを脅かした。

また、同試合ではメルテンス、ホセ・カジェホン、ロレンツォ・インシーニェの3トップを起点とする効果的なプレスが勝因に。ボールホルダーへの闇雲な突進を避け、相手の最終ラインと中盤を繋ぐパスコースに各選手が瞬時に立ち塞がった結果、ニースの後方からのビルドアップを封じることに成功。ニースの選手たちが苦し紛れに放ったロングボールや横パスを回収してカウンターに結びつけたシーンは1度や2度ではなかった。自陣深くでブロックを敷く守備戦術とは異なる、“攻撃的守備”が同試合でも機能していたと言えるだろう。
2016-2017シーズンのセリエAで首位ユヴェントスとの勝ち点差5の3位と健闘したほか、同シーズンのUCLラウンド16(レアル・マドリード戦)では1stレグと2ndレグの両方で先制点を挙げるなど、欧州の舞台でも善戦したナポリ。現段階におけるイタリアの絶対王者ユヴェントスの牙城を崩すのは、このクラブかもしれない。

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