セビージャに快勝の鹿島・大岩監督だが「世界との差を縮めたどころか、むしろ広がった」

大岩監督が感じた世界との差とは? photo/Getty Images

守備面での健闘を評価も……

22日に明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017が行われ、鹿島アントラーズ(以下、鹿島)がセビージャに2-0で勝利した。

鹿島を率いる大岩剛監督は試合後に行われた公式会見の冒頭で、選手たちの奮闘ぶりを称えている。

「粘り強く守備をすること、奪った後に積極的に前に出ていくことを選手たちがやり続けた結果、今日来てくれたサポーターのみなさんに喜んで帰って頂けるような結果に繋がったと思います」
試合序盤は最前線を起点とするプレッシングを徹底し、セビージャのパスワークを封じにかかった鹿島。奪ったボールを素早くサイドに展開し、カウンターを仕掛けるプランは一貫していたが、同監督が志すサッカーとはかけ離れていたようだ。自分達のサッカーをどの程度体現できたのかという記者の質問に対し、正直な思いを口にしている。

「手応えに関しては、あまりないです。特に前半は相手にボールを動かされて、自分達でボールを持つことができませんでした。(攻撃の)スピードを上げすぎてボールを失ったり、ボールを奪った後のプレイや判断の質も良くなかった、もしくは相手に良くなくさせられる場面も多かったですね。セビージャの高いレベルのサッカーを体感しましたし、選手も体感したと思います。昨年、クラブW杯でレアル・マドリードと(拮抗した)ゲームをして良い評価を頂きましたが、自分達としては彼らとの決定的な差を感じていました。今回、(世界レベルとの)差を縮めるどころか、むしろ広がったのではないでしょうか。試合後に選手にも伝えましたが、自分達もあのレベルに到達しないといけない。今の自分達の取り組みや意識では縮まらないので、一人ひとりの判断の質や戦術レベル、パススピードといった点を日々の練習で高めていきたいです」

10分すぎよりセビージャにボールを保持された鹿島。前線からのプレスを掻い潜られるようになったことを受け、自陣深くでブロックを敷く戦術に切り替えたものの、相手のサイドチェンジや斜め方向のショートパスに手を焼き、自陣バイタルエリアのスペースを埋めきれない場面も散見された。大岩監督が理想とするアクションサッカーを十二分に体現したとは言いがたい同クラブだが、指揮官の崇高な理想が選手たちを突き動かし、チームの一体感に繋がっていることは確かだろう。今後の躍進に注目が集まる。 

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