ドイツ代表には、世界の強豪クラブに所属している優秀なGKが数多くいる。バイエルンのマヌエル・ノイアーを除いても、バルセロナのマルク・アンドレ・テア・シュテーゲン、PSGのケビン・トラップ、レヴァークーゼンのベルント・レノなど、世界が羨む層の厚さだ。
しかし、彼らも代表の正守護神であるノイアーとは大きな差がある。シュートストップ、守備範囲の広さ、ビルドアップに参加できる足下の技術など、ノイアーは全てがトップクラスで弱点がない。いくらテア・シュテーゲンやトラップが優秀だとしても、ノイアーには適わないのが現実だ。
『OmniSport』によると、元ドイツ代表GKオリバー・カーン氏はテア・シュテーゲンらノイアーのバックアッパーを務める選手たちはモチベーションを失っているのではないかと不安視している。現在ロシアで開催されているコンフェデレーションズカップにはノイアーが選出されていないが、翌年のワールドカップ本番では間違いなくノイアーがゴールマウスを守ることになる。この圧倒的な実力差がテア・シュテーゲンらのメンタルを苦しめているとカーン氏は考えているようだ。
「ノイアーは完璧に支配している。代表戦において彼はほとんどミスをしない。ワールドカップ、EUROでも彼は非常に頼りになる存在だった。ビッグトーナメントでは重要な存在なんだ」
「我々はバックアッパーにも優秀なGKを数名抱えている。テア・シュテーゲン、レノ、PSGで守護神を務めるトラップもそうだ。彼らは優れたGKだが、彼らはノイアーの影に隠れている。モチベーションを保つのは容易ではないと思うよ」
テア・シュテーゲンやレノも他国では1番を背負うにふさわしい選手なのだろうが、ドイツではノイアーを基準にGKが評価されてしまうところがある。ノイアーが凄すぎるため、ドイツのサッカーファンもGKに多くのことを求めすぎるのかもしれない。テア・シュテーゲンらは来年のワールドカップでもノイアーのバックアッパーを務めることになるが、偉大すぎる先輩をどのような心境で見つめているのだろうか。