“New黄金世代候補”イングランドはドイツを見習え エジル、ノイアーら凄すぎた2009年のU-21

ここからの育成が大事

ここからの育成が大事

豪華すぎた当時のドイツ photo/Getty Images

前回大会に続くトゥーロン国際大会制覇、U-20ワールドカップ制覇と、ここ数日イングランドの未来を担う選手たちが国際大会で見事な結果を残してみせた。今のイングランドA代表も若くて優秀な選手が揃っているが、イングランドのサッカーファンはこれから黄金世代が訪れるのではないかと期待していることだろう。

しかし大切なのは、才能ある彼らを上手くA代表でも活かせるかだ。英『sky SPORTS』は、2009年のU-21欧州選手権で準優勝に終わった当時のイングランド代表を特集しているが、彼らはそれ以降思ったような成績を残せなかった。当時のメンバーにはマイカ・リチャーズ、ジェイムズ・ミルナー、テオ・ウォルコット、キーラン・ギブス、マーク・ノーブル、ジャック・ロドウェル、リー・カッターモールなどプレミアリーグのクラブで活躍した選手も多いが、残念ながらA代表で主役になる機会は少なかった。

対照的なのが当時の大会で優勝を飾ったU-21ドイツ代表だ。ドイツは決勝でイングランドを4-0と粉砕し、同国にとって初めてこのカテゴリーを制した。決勝のスタメンは実に豪華だ。GKにはマヌエル・ノイアー、最終ラインにはアンドレアス・ベック、ジェローム・ボアテ ング、ベネディクト・ヘーヴェデス、セバスティアン・ボエニシュが入り、中盤にはマッツ・フンメルス、ファビアン・ジョンソン、ゴンサロ・カストロ、サミ・ケディラ、メスト・エジル、最前線にはサンドロ・ヴァーグナーが入っている。
ほとんどの選手は世界的に有名で、彼らの大半は2014ブラジルワールドカップを制したチームの中心メンバーだ。今でも代表に呼ばれている者がほとんどで、ヴァーグナーも先日の2018ロシアワールドカップ欧州予選のサンマリノ代表戦でハットトリックを達成するなど活躍している。ボエニシュはA代表ではポーランド代表を、ジョンソンはアメリカ代表を選択しており、当時のメンバーはほとんど全員がA代表で活躍している。

同メディ アも当時のU-21欧州選手権決勝を戦ったドイツとイングランドの運命が大きく分かれたことを取り上げており、今注目を浴びているイングランドの若き選手たちを今後どう導いていくかは重要な課題だ。ポイントとなるのは、クラブでの扱いだ。当時の若きイングランド代表選手は準優勝の結果を残したが、ほとんどの選手はその後ビッグクラブでプレイできていない。マンチェスター・シティ、現在もリヴァプールでプレイするミルナー、アーセナルのウォルコット、ギブスは長く強豪クラブでプレイしているが、その他の選手はチャンピオンズリーグに出場したことのない者がほとんどだ。プレミアリーグの強豪クラブが優秀な選手をかき集めていることもあり、イングランドの若手選手が高いレベルでプレイする のが難しい環境になっているのは問題だ。

今回U-20ワールドカップを制したドミニク・ソランケ、ジョシュ・オノマー、セイ・オジョ、アデモラ・ルックマンなどはここから順調なキャリアを描いていけるのか。新たな黄金世代といった声もあるが、ワールドカップやEURO制覇を目指すにはこれからの育成が肝心だ。

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